第193話 『シン・ウルトラマン』を観てきました


 『シン・ウルトラマン』を観てきたんですが、あれって評価が高い映画なんでしょうか?

 正直な感想として、「ん?」でした。

 映画として今ひとつという感じなんですが、それ以上に、あれ、ウルトラマンじゃない気がするんですが。


 たしかに、初代ウルトラマンを知っている人がにやりとする演出はあります。女性が巨大になってビルの間を歩くとか、出てきた怪獣の三匹が、首から下がまったく同じとか。


 三匹の怪獣の首から下がまったく同じというのは、着ぐるみつくる予算がなくて、首だけ挿げ替えて別の怪獣を作ったという裏話からです。

 また、ゼットンが吐く「一兆度の火球」というのは、公式の設定であり、ところがその数値をたしか『空想科学読本』だかなんだかで検証すると、地球だけでなく太陽系まで吹き飛ぶ熱量となる。そして、映画本編でもその設定がそのまま使われてます。


 たしかに、こういった細かい設定や遊び、また現代風にSF考証がされていて、それが作中で解説されているんですけれど、兎にも角にも、なんかウルトラマンじゃない気がするんです。


 そもそもウルトラマンなのに、なぜカラータイマーがない?

 カラータイマーのないウルトラマンなんて、変身ベルトのない仮面ライダーみたいなものです。なぜ、一番重要なカラータイマーを省略した?


 そして、宇宙人との変な駆け引き。ザラブ星人やメフィラス星人を出すのはいいんですけれど、ウルトラマンが彼らとややこしい駆け引きなんかしたかなぁ? それは、『ウルトラセブン』じゃないのぉ?


 じつは『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』では、作風が大きく違うんです。

 ウルトラマンの科学特捜隊は、どちらかというと消防隊的な立ち位置でした。

 が、ウルトラマンのウルトラ警備隊は軍隊で、戦闘機を所持していました。彼らの行動は、まるで空軍でした。

 『ウルトラセブン』はすなわち、悪い怪獣や宇宙人を殲滅する軍事的な話なんです。

 とうぜん宇宙人との駆け引きや対話もある。セブンの正体も隊員たちにバレます。


 が、ウルトラマンは、そうではなかった記憶があります。科学特捜隊は、倒した怪獣のお葬式をしてたくらいですから。


 当然、ウルトラマンの宇宙人としてのドラマもほぼなかったはずです。ハヤタ隊員がウルトラマンであるとバレる話もなかったはず。そういう絡みは、『ウルトラセブン』だと思うんです。


 『シン・ウルトラマン』は、なんか凄く『ウルトラセブン』的な話なんです。

 そこが、すっごく「ちょっと違う」気がしてしょうがない。


 『ウルトラマン』って、あんな複雑な人間ドラマが絡んでくる話じゃなくて、もう単純明快。ウルトラマンさえ出てくれは終わる話なんです。



 正直ぼくの『シン・ウラトラマン』に対する評価は低いです。つけるとすれば、落第点です。

 でも、斎藤工は良かったなー。



 が、しかし、なぜカラータイマーがないの?




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る