第144話 やはり小説はダブル・プロットがよろしいでしょう


 カクヨムコンに応募していた『電影竜騎士団』が連載終了しました。

 すると、なんでしょう? なんかカクヨムコン自体終わったような気になってしまいました。読者選考は2月7日まであるんですが。

 でも、2月7日って、例年のパターンだと応募期間の終了後ひと月は選考期間があったわけですから、今年は短いですね。




 で、つぎに書く作品なんですが、なんとなーく『ピーチ・プラスワン』か過去作の続きか、なんて考えていたんですが、ふとネタ帳ノートを見ると、つぎの子供向け長編のアイディアが書いてあるではあーりませんか。

 やっぱこれを書こうかな?とも思ってます。



 新しいアイディアは、つばさ文庫向けの長編で、細かいことは何も決まっていません。

 ただ、一話完結みたいな短いストーリーを繋げていく形にしようと思っています。


 が、つばさ文庫、ひとつ難点があります。

 前回ぼくは『宇宙海賊キャプテン・モーモー』で応募したのですが、落選しました。で、どこか他のコンテストに出そうかと思ったんですが、文字数が合わないんですよね。

 つまり、つばさ文庫のレギュレーション、7万文字から11・2万文字で、10万文字以下にしてしまうと、他に出すところがない。



 そこで今回は考えました。


 1話完結形式で、10話くらい作る。つばさ文庫に出すときは、そのうちの1話なり2話なりを外す。選考落ちたら、10話にもどす。


「これすなわち、可変文字数長編!」

「ポキポン!」←ドラえもんが道具だしたときの効果音



 この、つばさ用の長編のアイディアと同時に、『ピーチ・プラスワン』のプロットを作ろうと考えています。こっちは前に言っていた、「獣人と記憶を失った暗殺者がオーパーツを動かす」話。

 で、いま、一生懸命考えているのは、どういう面白さの話にするか?です。

 すなわち、どんな面白さを読者に提供するつもりなのか。そこを明確にしておかねばなりません。たぶん、ほとんどの人がこの工程をすっ飛ばしていると思うんですが。


 でも、ここを決めないで、キャラだの設定だのストーリーだの決めても駄目ですからね。その「面白さ」に合った、キャラと設定とストーリーでないと結局どこかで書けなくなりますから。




 さて、そろそろタイトルの「ダブル・プロット」の話に入りましょうか。


 長編小説のプロットを作る段階で、ストーリー・ラインを2本用意する方法です。もちろん「ダブル・プロット」はぼくの勝手な造語です。



 分かりやすくいえば、主人公を中心にしたストーリーとは別に、裏で動くストーリーを用意することです。このやり方の良いところは、表のストーリーが裏のストーリーの干渉を受けて、面白さが増すこと。


 今回のカクヨムコンで、読んだ作品に恋愛小説があったんです。で、気づいたんですが、恋愛小説って、あたりまえですがストーリー・ラインが一本である場合が多いんです。


 基本恋愛小説は、主人公とお相手のエピソードばかり。主人公周辺は詳細に描かれているのですが、反面、世界線が一本であるため、外からの刺激がなく、まるで金魚鉢の中で金魚が泳いでいるようなストーリーが多いです。

 こういうときは、外から金魚鉢を叩いて、ちょっと中の金魚たちを動かしたら面白くなるんじゃないでしょうか。そのための、ダブル・プロットです。



 例をいくつかあげます。



 まず『はいからさんが通る』。

 紅緒と少尉の恋愛譚の背景で、歴史という大きな物語が動いています。それが戦争だったり震災だったり。紅緒が投獄されるのだって、打ちこわしを取材に行って、それを扇動したから。また、関東大震災が起きなければ、あの物語はハッピーエンドにならなかったかもしれない。



 次、『ダイハード』。

 マクレーン刑事がテロリストと戦うという表のプロットの裏で、テロリストの周到な犯罪計画が進行しています。物語の進行につれて、テロリストの行動が変わり、それに対応するように表のプロットも刺激を受けています。

 たとえば、わざとFBIを介入させて、ビルの電源を完全に落とさせたり、脱出のために屋上に大量の爆弾が仕掛けられていたり。これらはすべて、表のプロットにも影響を与えています。



 『新世紀エヴァンゲリオン』。

 攻めてくる使徒をエヴァンゲリオンが迎撃するという表のストーリーの裏で、「人類補完計画」が進行しています。もしあの「人類補完計画」が無かったとしたら、『エヴァンゲリオン』の物語はどうだったでしょうか? 無くてもそこそこ面白かったとは思うのですが。

 ただ『エヴァンゲリオン』の面白いところは、最後までこの「人類補完計画」の全貌が見えない事です。表のプロットに刺激だけあたえ、それがどういうものであるかは語られない。一部では、そもそも何も考えていないのでは?と思われているようですが、それならば表のプロットに刺激をあえたることは出来ないし、たとえ何も考えていなくても問題ありません。

 なぜなら、表のプロットに刺激を与えることが、裏のプロットの存在意義であるからです。

 表のプロットを動かすことが出来れば、実在しなくても、実在するのと同じことなのです。




 ということで、今は、ふたつの長編アイディアと、その裏プロットを考えています。


 なんかこういうことってありません? 小説書いてないと、落ち着かなくてしょうがない。

 いまがちょうど、その時期です。ああ小説を書きたい。少なくとも、物語を作っていたい。


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