第143話 緊急事態宣言


 緊急事態宣言の発出が決まりましたね。明日からだそうです。

 で、ぼくが今月後半予定していた九州旅行ですが、結論から申しまして、行きます!


 年始の状況では、一都三県の知事が政府に緊急事態宣言を要請し、政府はそれに否定的でした。そのタイミングで旅行会社へ予約は入れました。GoToキャンペーンは五分五分だろうという判断で、縮小したスケジュールにしました。


 が、翌日、手のひら返したように、緊急事態宣言。

 旅行会社に問い合わせると、「緊急事態宣言はビジネスおよび観光目的の旅行を禁止するものではありません」との説明。まあ、旅行会社はそういうよね。

 ただ、発表では、飲食店の時短営業、劇場映画館は入場制限せず、不要不急の外出は控えよと。つまり感染拡大は夜の飲み会が問題だろうという認識のようです。



 さて、緊急事態宣言が出されたのだから、そんなときの旅行は控えよという声も聞こえてきそうですが、ぼくは行くという判断を下しました。


 大きな休暇が次にいつ取れるか分からないとか、飛行機も飛ぶし旅館も開いている。ならば多少なりとも利用した方が経済のためによろしいとか、細かい理由はいろいろあるのですが、最大の理由はちょっと違います。



 まず、ぼくはみかんあきさんの『新型コロナとの付き合い方』(https://kakuyomu.jp/works/1177354054894654631)というエッセイを連載開始当初からずっと読んでいるのですが、その中で、みかんあきさんは去年四月の段階で、新型コロナの感染者数の推移をこう推測しています。


 ──五月から感染者数は下がる。六月にすこし増えるが、すぐに減る。そして十一月から増え始め、二月にピークを迎える、と。

(原文ままではありません)


 みかんあきさんの論旨は明快で、「コロナは風邪だから、気温が下がれは感染者数は増え、気温が上がれは感染者数は減る」です。実際にほぼその通りに数字は推移しており、十一月の感染者数増加についてみかんあきさんは、「どうせGoToキャンペーンのせいにされるだろうが」と笑える予言までしています。



 前回の緊急事態宣言は、勝ち戦でした。

 感染者数が下がるタイミングで発令されています。おそらく、何もしなくても感染者数は下がったはず。却って、緊急事態宣言のおかげで感染者数が下がったと誤解されたかもしれません。



 今回の緊急事態宣言はどうでしょうか?

 一月に発令されました。感染者数のピークが二月だとすると、飲食店の時短営業くらいでは感染拡大は防げません。増え続けることになります。

 とすると、今回の緊急事態宣言は二月には終わらない。前回なんか、五月の連休も出掛けるなという指示がでたくらいですから、同様に考えて、五月半ばまで続くと考えた方がいいでしょう。

 とすると、飲食店の時短営業では足りず、閉店命令、劇場映画館の閉鎖の可能性が高いですね。



 果たして緊急事態宣言が解除されたのち、生き残っている飲食店、映画館、劇場、温泉宿、ホテルがいくつあるでしょうか? 前回の緊急事態宣言は五月で終了しましたが、店舗の閉店はそののちに六月七月がピークだったことを忘れてはいけません。



 もし、観たい映画があるなら、今月中にいきましょう。旅行も今月中。今行かないと、お店がない。宿がない。映画館がない、なんてことに成りかねない。


 いえ、飲食店や宿泊施設が無くなるだけではないかもしれません。それらがクライアントの企業、それらがクライアントのクライアントの企業、それらがクライアントのクライアントのクライアント企業……、それって全部じゃん。


 つまり、ぼく自身の職場も消えているかもしれません。



 もっとも、ぼくは物事を予測するのは苦手です。かならず最悪の事態を考えるからです。が、これ、決して最悪の事態、というわけでもない気がします。


 なので、予定通り、九州の旅行に行ってきます。今しかないと判断したからです。たった一人のGoToキャンペーン。

 が、立ち寄り先は、福岡と湯布院だけにしました。雪が降らないといいんだけど。




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