第130話 どんでん返し
次回のカクヨム・コンテストで、「どんでん返し」というジャンルが追加されるそうです。
まず、どんでん返しは小説のジャンルではないですね。プロットの一部で使用される一形態ではないでしょうか。
まあここで、「んな、バカなもの募集してんじゃねえよ、カクヨム!」と世界の中心で叫ぶのは簡単なのですが、どんでん返しについていくつか思ったことを書きます。
小説にはいくつか、後半あるいはラストで、びっくりするような話の転換がある形態の作品があります。そこまでの物語のラインを180度変えてしまうような、ストーリーの転換。あるいは、物語の世界観が突然変わってしまうような衝撃的な変化。
うまくやれば、それだけで名作確定などんでん返しですが、これ、あらかたパターンは出尽くしています。新しいパターンを考えつくことができれば、これはもうカクヨム・コンテスト一発選考突破、書籍化ヒットまちがいなしの偉業なのですが……。
それをジャンルとして募集するのはどうなんでしょうか? なんか変な感じがします。ちょっとおかしくね?と。
また、作品のどんでん返しだけに依存してしまうと、物語としての面白さや魅力が半減してしまう気もします。
たとえば、オー・ヘンリーの『最後の一葉』。短編小説として名作であるのは間違いないです。が、かの作品が収録された短編集を読んだことがありますが、他の作品はほぼすべて、オチに依存した小話ばかりの印象でした。
どんでん返しに依存した小説は果たして面白いのでしょうか? 終わりにどんでん返しがあると期待して、たいくつな物語を延々読まされることにはならないでしょうか?
どんでん返しで募集して、どんでん返しに依存した作品が出版され、帯に「最高のどんでん返し!」と刷られた書籍を店頭で手に取った人は、どんでん返しを期待してそのオチを知りたいためだけに巻末をめざし、挙句の果てに大きく落胆させられるということになったりしないでしょうか?
なーんてことを想像したりしていたのですが、「……」「……」「……」と考えているうちに、小説のアイディアが出てきたでござる……。もちろん「どんでん返し」の!
ただ、このアイディア、おそらく運営が求めているどんでん返しではないと思うのです。
運営は、いわゆる伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』みたいなものを期待していると思うのです。あるいは、ぼくは知らないですけれど最近出版されて話題になった「どんでん返し」を含む名作、つまり「の・ようなもの」でしょう。
が、ぼくが考えた長編アイディアは、「どんでん返しが多すぎる」(笑)。
裏を返せば、ひとつひとつのどんでん返しは、インパクトが弱いことになります。
ただ、こういうこと、みなさんもありませんか?
──すでに書く気になってしまっている。
いままだ、アイディア段階ですので、果たしてカクヨム・コンテストに間に合うか分からないのですが、動ぎたした物語は止まらないですね。
現在、ファンタジーの第一章も書いていて、こちらは軽くエンジンがかかってきた状態。予定通りにいけば、「どんでん返しが多すぎ」の方のプロットが出来た段階で、ファンタジーを止めてそちらの執筆に入るつもりですが、まだまだいろいろと未定です。
一応タイトルは『電影竜騎士団のロスト・ナンバー』(仮題)で行こうかと思っています。ジャンルはSFになります。
で、それとはまた別の話になるのですが、「どんでん返し」祭りということで、お勧め「どんでん返し作品」を紹介しようと思ってます。
小説一作、映画一作。いずれもどこかでレビューを書きたいと思っていた作品なんですが、この機会に、ここでやるつもりです。
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