第126話 スニーカー大賞に落ちた経緯(想像)


 スニーカー大賞に応募していた『暴虐のケダモノ・アーマー』が、落選しました。一次選考も通っていませんでしたよ!

 くそー、ならば次はもっと面白い物をかくぞー!となるのが、いつものぼくのパターンなんですが、それではさすがに進歩がないので、まじめに落選した理由を考察してみました。



 まず初めに、角川のスニーカー大賞のホームページにいって、一次選考通過作品をカクヨムで検索し、片っ端からどんな話か確認にいきました。そして、一番最初に分かったことは、カクヨムの検索機能がクソだということでしたが……。



 で、カクヨムから投稿された作品を片っ端から見て回って気づいたのですが、この一次選考、おそらく「あらすじ」だけで選ばれている可能性が高いな、ということです。

 応募作の「あらすじ」あるいは「梗概」から、面白そうな作品を大ふるいにかけ、そこから内容を選考するのではないでしょうか。よく知らんけど。

 事実、一次選考突破作品は「あらすじ」の面白そうなものが多かったです。



 ところが、二次選考に進んだ作品をみると、カクヨムからの投稿作品ががくっと減ります。カクヨムの公開作品は、通常投稿時につけねばならない梗概がないため、この「あらすじ」選考では有利なのでしょうが、その反面、内容を確認されたのち落選した作品が多いという事でしょうか。




 で、うちの『暴虐のケダモノ・アーマー』が落選した原因ですが、「あらすじ」だと思います。これは、設定画面でもっといい「あらすじ」を書けばよかった!という話ではなくて、もうあらすじ段階で駄目だということです。


 『暴虐のケダモノ・アーマー』のあらすじ、すなわちカクヨムのトップに表示される「あらすじ」を要約すると、「暴走したヒューマ・ロイドを主人公がパワード・スーツを着用して破壊する」というものです。事実、作品の内容はそれに終始しています。

 ひとつの世界観に終始した小説は、ライトノベルの新人賞では選考を通らないでしょう。たとえそれを、どんなに上手く書いたとしても、です。


 ライトノベルは、ジャンルに制限がありません。推理、ホラー、バトル、SFからファンタジー、恋愛、ラブコメ。まさになんでもあり。


 物語の真ん中で世界観を変えねばならい、価値観を変えねばならない、とはこのエッセイでも以前に書きましたが、とくになんでもありの世界観を舞台とするライトノベルでは、その傾向は強いのではないでしょうか。いえ、必須といえるかもしれません。


 だって逆に考えるなら、ミステリー小説大賞に応募する原稿で、途中からSFになる話なんてあり得ませんからね。


 この世界観と価値観の大転換。これをミッドポイントで行う。その形態でなければ、ライトノベルの小説賞は選考を抜けられないのではないでしょうか。

 そして、その大転換を考える作業は、物語のアイディアから前述の「戦略プロット」が作られる手前の段階で行う必要があります。つまり、「あらすじ」段階です。ここでいう「あらすじ」は、戦略プロットのさらに上の階層。すなわち、もっと大雑把な話の構造作成段階です。






 で、いまちょうど、次に書く作品で悩んでいます。


 じつは『ピーチ+1』の大まかなプロットはできたのですが、これがキマイラみたいなものに仕上がっていて、すこし躊躇しています。


 とすると、プロットを途中まで作った「ファンタジー」か? こっちは上手くいきそうなのですが、作品の顔が見えていません。


 あとは、既存の作品を書き直すことも企画しています。上述の、ミッドポイント装備へ。


 




 できれば、このミッドポイント(ハリウッド式脚本術のミッドポイントとまったく同じものとはいえないが)を装備した長編を書きたいと思っています。

 が、あとづけミッドポイントって難しいんですよね。いっそ新作で作った方が楽だと思うんです。





 なんにしろ、次に書く作品、決めなきゃねー。何書くかねー。

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