第106話 『ピーチ+ワン』は現在開発中です


 『ピーチ+ワン』をキャラクター文芸に出せるように、アイディアを練り直しています。


 もともとは、映画『ダイハード』と小説『暗殺者』を足して二で割ったような物語にするつもりでした。

 つまり、「いろんな物を占拠したテロリストを、記憶喪失の暗殺者の少女と人狼の少年がやっつける」という話です。


 が、これ、おそらく物語には出来ないと思っています。物語にならないものを物語にすると、「設定お化け」になってしまいます。ある程度物語を作ってきた人が陥る罠ですね。

 面白そうなアイディアを組み合わせれば、面白い話ができると考えて書き始めるんですけれど、上手くいかない。もちろん上手く行くこともあるのですが、いかないこともあります。




 ぼくが考えるに、この『ピーチ+ワン』が上手く行かない理由は、かみ合わせによるものだと思います。

 主人公が暗殺者と人狼で、敵がテロリストだとすると、人狼がからむ理由がない。また、主人公の二人、つまり暗殺者と人狼のあいだに『対立コンフリクト』を設定しづらい。



 いくつかパターンを考えたんですが、敵と味方の対立、そして主人公二人の対立が組めないと、難しいと思いました。屋台骨がしっかりしていない建物に、素敵な家族も立派な家具も入らないというわけです。



 が、以前ちらりと言った「本屋の本棚に穴を穿つような」話を書こうという気持ちに変わりはありません。それこそがまさに、「ルパン三世」のような話であり、それを『ピーチ+ワン』で形にしたいんです。

 とすると、物語の根底から作り直さないといけない。現在その作業にかかっています。


 今回試したオペレーションは、設定反転。


 ※ 暗殺者 ワン 記憶喪失の女子

 ※ 人狼 ピーチ 男子高校生


 この二人の設定を入れ替えて、


 ※ 暗殺者 ピーチ 二十歳

 ※ 人狼 ワン 記憶喪失の女子



 としてみました。結果的に敵はテロリストから妖怪に変わりますから、物語はぜんぜん違ったものになってしまいます。暗殺者は、人も殺しますが妖怪も殺すということにすれば、この二人の主人公と共通の敵の三つ巴が成り立ちます。

 つまり、妖怪も殺す暗殺者は、人狼の敵でもあるわけですから、ここに対立が生まれます。バディー・ファイトとは、その極意「呉越同舟」なのかも知れないです。



 現在このラインで物語の基幹作りを進めています。




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