第97話 「起承転結」を舐めていたのではないか? 特に「転」を


 さて、新作のプロットに入っているのですが、いま物語世界のイメージ作りに集中しています。現実感とフィクションのバランス、そして文体の詳細度合いなんかを探っている段階です。


 題名はまだ非公開でしたが、むかし作ったタイトルは『ピーチ・プラスワン』でした。これはギャビン・ライアルの名作冒険小説『深夜プラスワン』から取っているのですが、『深夜プラスワン』だと漢字とカタカナでセンスいいんですけど、『ピーチ・プラスワン』だと今一つですね。タイトルは、もっといいのがあれば、変えるかもしれないですが、仮題で『ピーチ・プラスワン』としておきます。


 で、実際のプロットに入る前に、全体のフレームを決める必要がありましてですね。そっちも、その段階に入っています。



 話は変わりますが、現在スニーカー大賞に応募の『暴虐のケダモノ・アーマー』を連載していますが、冷静に考えて大賞は難しいと思っています。『ケダモノ・アーマー』を、たとえば『涼宮ハルヒの憂鬱』とかと比べると、それと同等の出来かというと、かなり落ちるからです。「大賞」に値する出来ではないと思います。


 では、なにが足りないのか? どこが劣っているのか?

 それはきっと、価値観の転換の有無だと思います。



 たとえば、『涼宮ハルヒの憂鬱』では、前半で突飛なことをいう美少女ハルヒが出てきます。で、後半、なんとそのハルヒの言っていることが現実であるという物語の大転換が起こります。


 大抵、「大賞」をとるような作品、あるいはプロが書いた物語には、この価値観の転換、もうすこし平易な言葉を使うなら、読んでいる読者の天と地をひっくり返すような変化が物語にあります。

 『ケダモノ・アーマー』には、残念ながらそれはありません。多少の「転」はあったとしても。



 というような理由で、いまぼくは『ピーチ・プラスワン』に入れる大転換を考えています。そしてこの、大転換を先に考えておかないとまずい。なぜなら、それを決めずにプロットを作ってしまうと、あとから転換を入れるのが不可能になるからです。


 つまり、順を追ってプロットを作ってしまったら、公募は通らないんじゃないか?と思うのです。




 といっても、『ピーチ・プラスワン』。公募に出す具体的な予定はないんですけどね。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る