第43話 第4回カクヨムWEB小説コンテストの読者選考を突破しました。
先日、第4回のコンテストの中間選考結果が発表されまして、うちの『刀剣オカルトMØDE』が選考を通りました。
発表ページで、自分の作品を探すときは、やっぱドキドキしますね。あれだけで、参加した甲斐があったというものです。
そして、自分の作品の名前を見つけたときは、「やったーーーーー!」となり……ませんでした。あまり嬉しくなかったんです。正直、恥ずかしさを感じました。
こういう書き方をすると、『刀剣オカルトMØDE』を読んでくれて評価してくれた方々に失礼になるとは思うのですが……。
「オカルト・モード」に関しては、いろいろありました。
何年、いや20年もしくはそれ以上前に出て来たアイディアなんですが、それをここにきてやっと作品化することができました。本編を書いている最中も、楽しかったです。
公開後も、案外フォロワーの方がついてくれて、嬉しかった。
ですが、途中から辛くなり始めました。
あちこちプロットに穴があったり、陽野ひまわりさんの『
この辺りですでに、自分の小説の書き方に疑問が生じてきていました。
きっかけは、コンテスト前に読んだ短編。
高校生が書いたものらしいのですが、内容は「?」で意味不明な作品。でも、その短編から、作者の思いが強く読み取れたんです。
キーワードは3つありました。
「息の詰まる現実から抜け出したい」
「変身したり、空を飛んだりしたい」
「自分が何をしたいのか、みつけたい」
彼はそういう思いを吐き出したくて、その短編を書いたのでしょうが、うまく書けていませんでした。そのとき、ぼくは思いました。
「だったら、ぼくが書いてやるよ」
そして、コンテスト後に、『刀剣オカルトMØDE』を振り返り、思いました。
「たしかに、百人斬りとか、凄いよ。だけど、おまえ、その技術をもっと人の役に立つことに使ったらどうなんだよ?」
ぼくはここ何年か、自分のために小説を書いていました。いつの間にか、そうなっていた。
むかし書けなかった、書くことが出来なかった作品への復讐のようでした。でももう、あの「オカルト・モード」ですら書くことが出来たのだから、そんな仕返しみたいな執筆は終わりにしようよ。読者に対する上から目線は捨てよう。
一人よがりな、マスターベーションみたいな小説は、もう書かない。これからは、「こういうのが読みたいんです」と切実に願っている誰かのために、その誰かを本当に楽しませるものを書いていこう。
大勢の人に読んでもらおうとか、書籍化だの☆だのレビューだののためにではなく、それを読みたい人のためだけに、持てる力の限りを使って、最高に面白いものを。
ぼくは、世のため人のために、小説を書く。そう決めたのでした。
だから、もう、カクヨムのコンテストとかは、どうでも良くなってしまったのです。
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