第44話 映画『劇場版シティーハンター 新宿プライベートアイズ』


 『シティーハンター』の映画を観てきました。


 観終わったあと、思わず新宿に行ってきましたよ!



 というくらい、面白かったです。


 あれは、『シティーハンター』を知らない人が観ても面白でしょうけど、知っている人にはたまらん映画ですね。


 まず、アニメーションとしての出来がいいです。作画が、ほぼ原作に近い。主人公冴羽獠の髪型とか、アニメでは難しいんですけどね。


 内容は、香の生きている時間軸。ちなみにぼくは、『エンジェル・ハート』は一切読んでいません。



 冒頭からアクションシーンで入ってくるのですが、銃声だの爆音だので分からなかったんですが、かかっている音楽がPSY・Sの『ANGEL NIGHT』なんですね。新宿のゴジラを背景に。

 このあたりでもう鳥肌立ちました。



 声優陣は、むかしのアニメ版が全員集合。獠役の神谷明さんは、やっぱちょっと年取ったかな? ま、ぼくが子供のころからご活躍だから無理もないけど。

 香役の伊倉一恵さんは相変わらず、というかまったくブランクを感じさせないし、冴子役の一龍斎春水さんってだれかと思ったら、麻上洋子さん改名されたのね。


 おなじレギュラーの、海坊主と美樹も、玄田哲章さん小山茉美さんで健在。


 敵役では、山寺宏一さんと大塚芳忠さん。二人ともうまい。山寺さんこと「おはスタ」のヤマちゃんは、さいきんルパン三世の銭形警部の声を聴いたんだけどまんまですし、電王のデネブこと芳忠さん(大塚は名声優が他に二人いるので、基本下の名前です)は、最近は悪役多いけど、ほんと悪そうな声もうまい。


 そして、今回のもっこりゲストこと、アイちゃんの声は、若手女優の飯豊まりえちゃん。声優初挑戦です。

 声優って、ちょっとくらい芝居ができても難しんだけど、完っ璧に声当ててます。声優みたい。


 ……って、思ってたんですが、よく考えたらまりえちゃん、アフレコの経験があったことに、帰りの電車で気づきました。

 彼女は、『獣電戦隊キョウリュウジャー』のバイオレット。つまり、戦隊ものに出てた人なんです。

 特撮では出演料を押さえるために、新人の役者さんがキャスティングされますが、その現場では役者にとって必要な仕事を一通り経験させられます。

 芝居はもちろん、アクション、CG合成、そしてアフレコです。スーツアクターの動きに合わせて声を当てる。この仕事をすでに経験済みなんですね。


 ちなみに、出演にあたってのインタビューで、まりえちゃんが「以前声優さんと一緒にお仕事をしたことがあって……」と語られてますが、それって初代キョウリュウ・バイオレットの千葉繁さんのことですよね。


 そして、ゲスト出演の『キャッツ・アイ』。当然声優さんはオリジナル。瞳役の戸田恵子さんが完璧に当時の声でビビる。で、長女の泪さんは、声がちょっと昔と違うかなぁと思ったら、当時の声優の藤田淑子さんが亡くなられていて、……戸田恵子さんが代役をつとめたんだそうです。マジか! 凄すぎる! 気づかなかったんですけど!


 と、声優さんの話でずいぶん文字数稼いでしまいましたが、内容も良いんです。


 現在の新宿で、あの『シティーハンター』が、何事もなかったかのごとく復活しています。獠ちゃんはスマホも持ってるみたいですが、そればかりでなく、女子更衣室のぞくためのドローン「エローン」とかをしっかり所持しているし、香のハンマーにはきっちり『2019』と刻印されています。


 新しい南口バスターミナルや、綺麗になったサブナードでど派手なドンパチ。新宿御苑、いえ作中では新宿遊園になってましたが、あそこも壊滅状態。


 また、途中で出てくる新宿ゴールデン街。一度行ったことありますが、あそこの飲み屋の内観は、まんまあの通りです(笑)。どこをリアルに描いてるんだか!



 また、細かい銃器の話になりますが、獠が後半で使うショットガン。レバーアクションで、銃身を切り詰めたあれ。映画『ターミネイター2』でシュワルツェネッガーが使用していた代物です。詳しくないんですが、実銃であるらしいですね。


 レバーアクションというのは、西部劇に出てくるウィンチェスター・ライフルの作動機構でして、トリガーガードをかねたハンドガードがレバーになっていて、これを押し下げると次弾が装填される仕組みです。で、これを片手で次弾装填するために、レバーに手を入れて、銃をくるっと1回転させる『スピン・コッキング』って技があるんです。西部劇でジョン・ウェインが、『ターミネイター2』でシュワルツェネッガーが、ついでにぼくの作品で『ファイナル・ジ・アース』のきいちこがやっているあれを、冴羽獠がやっておりますわ!



 そして、本編終了後のエンディングは、当然『GET WILD』。


 そりゃ鳥肌立ちますわ!


 空いている平日の昼間を狙っていったんですが、混んでました(笑)。ぼくは『シティーハンター』のファンというほどではありません。ただ、漫画読んで、アニメ見ただけです。それでも痺れた。


 新旧取り混ぜて、素晴らしかったです。


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