夏希の思い

 私は、少し田舎の町に住んでいた。田舎だからといって、生活が不便という訳ではない。毎日、楽しく過ごしていた女子高生だった。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。

 妹が倒れた。救急車で病院へ運ばれ、体内に電子を入れた。しかし、入れたとたん、妹は口から泡を噴いて倒れてしまった。

 何が起きたのか分からない私たちは、医者を見た。医者の顔は、真っ青だった。


ー医療ミス


 妹は、医者が間違えて入れてしまった電子のせいで、寝たきりの体になってしまった。起きてしまったことは、もうどうにもならない。でも私は、その医者が許せなかった。妹が入院してから、初めてのクリスマス。お正月。花見。妹一人いないだけで、こんなにも悲しいなんて。その時、私は思った。医者になろう。何があっても、妹を救ってみせる。そうして私は、医者になるための勉強をした。

 

 しかし、妹は、死んでしまった。間に合わなかった。家族は泣き崩れ、妹に抱きついていた。でも、私はまだ諦めない。噂で聞いたことがある。とある滝の水を4つ集めると、死者を蘇らせることができるという。私は家族にそれを伝え、旅に出た。

 妹とまた遊びたいから。もう一度笑顔が見たいから。どんなに辛いことがあっても、絶対に滝の水を取って帰ってみせる。失敗してもいい。何度でも挑戦する。


 妹を絶対に救うんだ!

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