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「ふふふ……この魔法具はすごいんですよ……。実はですね……」とマリンがその魔法具について説明しようとしたとき、「マリンさん、その話はあとにしましょう。それと、そのおかしな帽子はさっきも注意したように今は取っていてくださいね」とシャルロットが言った。
「ええ? でも……」と言いながらもマリンは説明を止める。それからマリンはそのへんこて帽子をしぶしぶ取った。
帽子の下にはマリンのとても残念そうな顔があった。
月組と合流したメテオラたちはシャルロットの案内で魔法学校の中に移動する。お泊り会をする場所は魔法学校の上のほうの階のようで、シャルロットは螺旋階段を登り始めた。
「その看板はどうしたの?」とニコラスが言う。
「宣伝だよ、宣伝」デボラが言う。
「……僕たち、魔法新聞の宣伝と、あと幽霊の証拠写真を取ることをワルプルギスさんに言いつけられているんだ」アビーが言う。
「もし幽霊の写真が取れなかったら、私たち、ワルプルギスさんにあとで怒られてしまうんです」とマリンが言う。
「ワルプルギスさんって怖い魔法使いさんなんですか?」アネットが言う。
「いや、全然怖くないよ。むしろ面白い」デボラが特徴的な八重歯を見せながら笑って言う。
デボラの言葉にアビーとマリンがうんうんと頷いた。
お泊り会の会場は魔法学校八階にある会議室だった。
部屋の中に入ると、そこにはマシューがいて、マシューは部屋の中に引いてある布団の上で、ぐーぐーといびきをかいて眠っていた。
会議室は大きくて、部屋の中にあったテーブルは端っこに片付けられていて、代わりに部屋の中央には丸いテーブルがあり、その上には料理がいっぱい用意されていた。
その料理は野菜のサンドイッチと揚げたてパン、ポテトとほうれん草のペースト、香草のクッキーとサイコロチーズ、それに飲み物にコーヒーとガラスの瓶に入った水があった。
「私が作りました。よろしければみなさんで夕食代わりに食べてください」とシャルロットが言った。
メテオラたちは荷物をまとめて部屋の隅っこに置いて、それからテーブルの周囲にある椅子に座ると、シャルロットの好意に甘えて、その料理を食べ始めた。
シャルロットの料理はとても美味しかった。
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