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小屋の中には部屋が一つ、奥に続くドアが一つだけあった。
部屋のすみには台所とベットとクローゼット。
部屋の中央には丸いテーブルと椅子が三つ置いてあった。
メテオラとニコラスはアビーの案内で丸テーブルのところにある椅子に座り、そこでとんがり帽子とローブを脱いだ。
そんな二人にアビーはふかふかのタオルを貸してくれた。
メテオラたちがタオルで髪や体を拭いていると、「コーヒーでいい?」とアビーが聞いた。二人はその質問に「ありがとう」と答えた。
アビーが慣れた手つきでキッチンでコーヒーを三人分淹れてくれた。
「あの、モリー先生はいないんですか?」
アビーの淹れてくれたコーヒーを飲みながらメテオラが聞いた。
「いない。急な予定が入ったって言ってた。でも、要件は聞いてる」
そう言ってアビーは椅子から立ち上がると、部屋の奥からあらかじめ用意されていた荷物の詰まった布袋を持ってきた。
「マグ先生に渡すものは、この中に入っている」とアビーは言った。
「どうも、すみません」
そう言ってメテオラは荷物の入った布袋を受け取った。
布袋の中身はモリー先生お手製の魔法薬や魔法薬専門の魔法書、灰の谷でしか取れない薬草や鉱物などが入っているはずだ。これで二人がマグお姉ちゃんから頼まれた用事は済んだのだけど、外ではまだ豪雨が続いていた。
窓から外に降る雨を見つめる二人に「雨が止むまで雨宿りをしていけばいい」とアビーはにっこりと笑いながら、そう言った。
メテオラとニコラスはそのアビーの言葉に甘えて、とりあえず雨が止むまでモリー先生の小屋で雨宿りをさせてもらうことにした。
二人は雨を見るために、窓際の位置に移動した。
アビーは二人のいる窓際の場所から、少し距離をとった場所に椅子を移動させて、そこにちょこんと座った。
そんなアビーの行動を見て、メテオラとニコラスは不思議そうな顔でアビーのほうをちらっと見たが、アビーはにっこりと二人に笑い返すだけだった。
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