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マシューの話によると、魔法学校では幽霊の目撃者がこの三ヶ月の間、とても増えているらしい。
マシューは個人的な興味からその幽霊騒ぎを追っていた。
その調査によって、どうやら幽霊の正体は本物の幽霊ではなくて、誰かが幽霊のふりをして魔法学校の中を動き回っているのではないか、という疑問にマシューは思い至った。
今朝の警報も、デボラとアビーのように未遂ではなくて、あの時間に本当に十三階に侵入した人物がいるとマシューは考えていた。
その根拠は魔法学校の先生たちが午後の授業をすべて止めてまでして、緊急の会議を開いたことだ。その真犯人を捕まえるために、先生たちは現在、緊急の会議をしているのではないかということだった。
……魔法学校の幽霊は、幽霊ではなくて、実態を持った森の魔法使いの誰かだ、と今朝の警報騒ぎで、そうマシューは確信した。
「……ということでみんなでその真犯人を捕まえよう、ということです」にっこりと笑ってマシューは言った。
なぜマシューが幽霊のふりをしている魔法使いを捕まえようとしているのか、その理由はわからない。でもマシューはとても楽しそうだった。
面白いことだから、やる。
マシューの行動理由とは、もしかしたらただそれだけなのかもしれないとメテオラは思った。
マシューの提案にデボラたち月組の三人は賛成した。
理由はデボラがマシューの意見に同意して、その意見にアビーが、そして二人の意見にリデルが同意をしたからだった。
アネットはマシューの意見に反対した。
理由は危ないからだ。
どんな魔法使いかはわからないけど、魔法学校の先生たちが緊急の会議を開く必要があるくらいの危険人物なのだから魔法学校の先生たちに任せるべきだという意見だった。
ニコラスはアネットに賛成した。
二人はメテオラを見た。
でも、メテオラは二人とは違う意見を持っていた。メテオラは幽霊を捕まえることに賛成した。
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