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 メテオラたちはこうして地面の上を歩いて魔法学校まで登校している。それはメテオラとニコラスがまだ魔法使いの基礎中の基礎である空を飛ぶことができない落ちこぼれ魔法使いであることのなによりの証拠だったのである。

 魔法の森で生まれた魔法使いの子供たちはみんな魔法学校に通い、そこで魔法の基礎として最初に浮力の魔法を魔法学校の先生たちから教わり、そしてほとんどの生徒たちはそれを生まれながらに持っている魔法使いの種族としての感性によってその魔法を無意識のうちに体得し、魔法使いの代名詞でもある空を飛ぶための技術である飛行術を程度の差はあれ問題なく習得していた。だからこうしてメテオラたちのように地面の上を歩いて魔法学校まで登校する生徒なんてほかに誰もいないのである。

 メテオラたちよりも年下の子どもたちであれば、まだ空が飛べなくても問題はない。でもその上のメテオラたちの年齢であれば、皆が空が飛べるようになるのが普通だった。

 つまりメテオラたちは普通ではない。

 だから見習い魔法使い卒業試験を迎えるにあたってわざわざ先生たちはなんども会議をして、メテオラたちのためだけに新しい教室まで用意してくれたのだ。

「嫌だなぁー、すごく緊張するよ。担任の先生ってどんな人だろうね? 怖い人だったら嫌だなぁー」

「先生方は皆いい人ばかりです。そんなことにはなりませんよ、ニコラスくん」

「そうかなぁー。そうだといいんだけどなぁー」

 そんな会話をしながら歩いていると小道の先に緑色の小さな壁が見えてきた。それは魔法の森と魔法学校の境界を定めるために新しく作られた植物の壁で、それはこの小道の先だけではなくて、大きな魔法学校の周りをぐるりと一周、包み込むように作られている。

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