19
「今日は珍しくマグ先生に乗せてきてもらったんだね。どうかしたの? 昨日なにかやらかしたの?」
「……ええ。まあ、そんな感じです」
メテオラとニコラスはそんな会話をしながら、二人並んで森の小道を歩いていった。
「はぁー、相変わらずみんな上手に空を飛んでいるね。……いいなー。……羨ましいなー」
森の中の小道からはるか上空を飛んで魔法学校に登校していく二人の生徒の姿を見上げながらニコラスはそうつぶやいた。メテオラたちのように森の中を歩いて魔法学校に通う生徒の姿はない。メテオラたちよりさらに年下のとっても小さな子供たちの中にも、すでに空を飛べる魔法使いもいる。魔法使いにとって空を飛ぶということはそれくらい当たり前のことだった。
「そうですね。僕たちも頑張らないといけませんね」
朝の失敗を反省しながらメテオラは言う。
「……うん。……それはそうなんだけどさ。でもさ、今年は卒業試験の年でしょ? 僕たちのために新しい教室まで用意してもらってさ……、頑張ろうとは思うんだけど……、こんなていたらくで卒業なんてできるのかって、やっぱりすごく不安なんだよね」と言ってからニコラスは「はぁーー」と、とても深いため息をついた。
ニコラスの言っていることはもっともだった。
メテオラたちが落ちこぼれであることは間違いのない事実だったからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます