「メテオラ、朝ごはんまだだよね。私が用意してあげる。その間に学校に行く準備を整えちゃいなさい」

 マグお姉ちゃんは歩きながらメテオラにそう言うと、部屋の中にある丸い木製のテーブルの上にバックを置き、それから杖を立てかけ、そこにあった椅子の背もたれにとんがり帽子とローブを脱いでかけた。

 それからマグお姉ちゃんは奥の台所まで移動して、そこにかけてあった真っ白なエプロンをとって身につけるとそのまま朝ごはんの準備を始めた。メテオラはマグお姉ちゃんに「わかりました」と返事をして、そこまでの行動を見守ったあとで、それから言われた通りに学校へ行くための準備を開始する。

 まずは台所とは反対側の部屋の奥の通路脇にある水浴び場にいって、そこで桶の水で顔を洗って、次にそこにある鏡の前で歯を磨いて、それから可能な限り、頑張って頑固な髪の毛をできるだけ見栄えよく整えた。

 真っ白なパジャマを脱いで、魔法学校の制服に着替えをして、黒い革靴を履き、魔法書が詰め込んである肩掛けカバンや大切な魔法の杖を確認して、最後に黒いとんがり帽子と魔法のローブを確保してメテオラは魔法学校に登校する準備を完璧に整えた。

 そんなことをしていると一部屋しかない小さな家の中にとてもいい香りが漂い始める。それはマグが作ってくれているおいしそうな朝ごはんの匂いだった。

 パンを焼く香りや野菜を炒める香り。それに優しくスープを煮詰める匂いや採りたての野菜が細かく刻まれていくときに発する新鮮な匂い。メテオラはそんないろいろな食材が調理によって醸し出す匂いにつられるようにしてふらふらと丸テーブルまで移動した。

「準備は終わったの?」

 そんなメテオラの動きを感じ取って、マグお姉ちゃんがメテオラにそう質問した。

「はい。終わりました」

 メテオラはマグお姉ちゃんにそう返事をしてからテーブルの周囲に三つある木の椅子の一つに腰を下ろした。そのあとでメテオラはとんがり帽子とローブを邪魔にならないように隣の椅子の上に置いた。

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