第20話
「では、参りましょう。」
壮馬に手を振ると、振り返してくれた。
また泣きそうになって、急いで前を向き、女性の後を追った。
荷物を預けて、ロケットに乗り込むと、間もなく発射した。窓から見た地球の最後の景色は、笑顔で手を振る壮馬だった。
私が火星にまだ辿り着かない頃、地球は滅んだ。
地球には、人口の約半数の人が取り残されており、地球と共に亡くなったそうだ。
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