残り7日

第16話

 地球が滅ぶとされるまで、残り7日となった。

 チケットが当たったと分かってからは大騒ぎだった。

 急いで荷物をまとめ、飛び立つ準備をした。持って行ける物は多くはないのだが、元々荷物が少ないお陰で、スーツケース1つに収まってしまった。


 今日、私たちは火星へと飛び立つ。

 朝早く、家を出て最寄り駅から専用の電車に乗る。

「壮馬、荷物それだけなの? 」

「あー、ほとんど病院にいたから何も持ってないんだよね。」

 壮馬の持ち物は、リュック1つだった。それもパンパンではなくて、軽そうだ。

「あっちで揃うといいけど。」

「どうかなー……。何があるのかよく分からないからね。」

「そうだね。」

 地球を去る寂しさと、新たな地・ 火星に抱く期待と不安。色んな感情がこみ上げるけれど、横に壮馬がいる。今はそれだけで十分だと思えた。

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