第8話

「僕はさ、バスケをやっている人をあまり見たことはないから、あかりが上手なのかはよく分からないけど、バスケが大好きなんだなってことはよく分かるよ。」

「どういうこと? 」

「バスケしてる時のあかり、目がキラキラしてるから。」

 そう言って笑っていたものの、その顔はすぐに暗くなる。

「はー、でも疲れちゃったな。

 今日はもう帰るよ。また明日ね。」

 無理して口角を上げて、手を振って帰っていった。

「傷つけた……かな。」

 いくら話を聞いても、今まで壮馬が抱いてきた感情は分からない。

 自分とは境遇があまりにも違いすぎるから。

 それに、今の流れでどこが気に触ったのかもよく分からなかった。


 

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