第2話 終末の男

「ねぇーシュライナー?聞いてる?」

女の子は聞いた。

すると大きい帽子に細型の男が振り向いた。

「ごめんリリー、聞いてなかったよ、少し考え事をしていてね」

するとリリーはシュライナに怒った。

「ありえないんだけど!もうシュライナなんか知らない!」

そう言い先を歩くリリーの顔の横から手のひらにのった飴が出てきた。

「わぁー素敵!シュライナ!一応…これで許してあげる」

リリーが後ろを向くとシュライナが優しく微笑んだ。

「それでね、次はどこに行くの?」

リリーがシュライナに聞くと、

「次は小さな惑星だよ」

「また滅んでしまうの?」

そうリリーが悲しそうに聞くと、シュライナは言った。

「滅ぶも生かすも民次第、僕は告げるだけだよ…」

そうシュライナが言うと静かに頷いた。

「そうだね…」

そう言いながらシュライナはリリーと共に小さな船に乗り込んだ。

すると、その船の中には骸骨のような顔をしたやつが現れた。

「おかえりなさいませーシュラ様」

その骸骨は被っていた帽子を外しお辞儀をした。

「ピア、ただいま…」

するとリリーはピアに抱きつき言った。

「ただいまぁーピア!」

そう言うと、ピアは微笑みながら言った。

「おかえりなさい!それでは船にお戻りください。あとは僕の役目ですので…」

そう言いリリーを船の中に降ろしピアは1人船を降りた。

シュライナはピアに言った。

「あとは頼んだ…」

「かしこまりました、シュラ様」

そう言いながらピアは惑星の地面に両手をつくと、たちまち惑星は壊れ始めた。

すると、窓の外を眺めながらリリーは言った。

「シュライナとピアはどうしていつも悲しそうに惑星を見守るの?」

すると、後ろからリリーの肩を寄せながらシュライナは言った。

「それはね、僕達にも感情があるからだよ…誰かが幸せに生きる為には、誰かが先陣を切って誰かを犠牲にしなくちゃいけないんだ……だって全ての人類が幸せになんてなれないからなんだ……」

そう悲しそうに言うシュライナにリリーはぎゅっと抱きしめた。

「ありがとう…リリー」

そう言いながらシュライナは食卓の椅子に座った。

そして、役目を終えたピアが宇宙船に戻って来た。

すると、リリーがピアに抱きついた。

「ピアおかえり!」

「ただいまリリー」

すると、リリーがピアに笑顔で言った。

「ピアも偉いんだね!」

そう言うリリーを見ながらピアはお礼を言った。

「ありがとう!リリー」

そう言いながらピアはリリーを食卓の椅子に座らせて自分も、リリーの向かいの食卓の椅子に座って用意された食事を目の前にして言った。

「いただきます!」

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