第2話

 それに、若い男性も居てくれて、とても嬉しかった。

 静かな職場であった。釣りざおや魚釣りの道具を輸出入していた。相手国はアメリカ・ヨーロッパ・中近東・中国であった。そのため、外国から電話が掛かって来る事が多かった。幸い景子は平安京大学の英文科出身で、英会話ができたので重宝された。

 吉岡と土井垣と3人きりになると、3人でよくおしゃべりをした。テレビドラマや映画や歌番組の話をした。3人とも芸能界好きであった。

 土井垣は福岡の出身で、冗談を言うのが好きで、毎朝起きてから30分体を鍛えていたので、胸板は厚く、二の腕とふくらはぎの筋肉は太くたくましかった。身長は170センチ体重は67キロ、独身であった。

 あるとき3人でキャプテン翼・タッチなどの話で盛り上がった。

 景子が土井垣と二人きりになる機会はほとんどなかった。たいがいは吉岡が一緒に居た。それでも、極まれに二人きりになると、土井垣は「景子ちゃんはかわいい」と言ってくれた。「魚心有れば水心」だった。二人とも下心が見え見えだった。

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