第5話
私は来た道を戻り、3つの分かれ道に着き、いつも通り、家に帰る右の道を進んだ
もちろん秋月君に言われた通り、青いバラは持ったまま
すると、無事に家に着くことが出来た
☆ ☆ ☆
「た、ただいま~」
「紬!? あんた、今までどこ行ってたの!?
凄く心配したんだから....」
「お、お母さん? あれ、仕事は?」
「何言ってるの? もう深夜の1時過ぎよ。
貴方がなかなか帰って来ないから、警察にも連絡したんだから....でも、無事で本当に良かったわ....」
「えぇ!?」
スマホを見ると、9月1日、1時15分と表示されていた。
それに、かたまっていたスマホも普通に動くようになっている
「どこも怪我してないわね?」
「う、うん」
「それならいいのよ....おかえりなさい」
「ただいま....お母さん」
私は、泣きながら抱きついてくるお母さんを見て、こっちまで泣きそうになった
こんなにも心配をかけていたなんて
私は自分まで泣きそうだったので、話題を変えた
「部活の帰り道、青い月を見たの」
「...今日は曇りで月なんか見えなかったわよ」
「でも、そのあとに月が光を放って、青い月にならなかった?」
「いいえ、そんなことはなかったわよ。って....その青いバラはどうしたの?」
「あぁ、この青いバラはね....」
私はふと思い出した。秋月君の言葉を。
「部活の帰りに花屋に寄ってね、珍しい色のバラだなぁーって思って自分で買ったの! それと本屋さんとかゲームセンターとか寄ってたら帰りが遅くなっちゃってー....」
私は、秋月君に触れないようにお母さんに嘘をついた
「もう夜遅くに本屋とかゲームセンターに行かないの、危ないでしょ? ほんとに心配したんだからね!?」
「それは謝るよ。ほんとごめんね、お母さん。
これからは部活が終わったらすぐに帰るから」
「もう....そうしなさいね」
「はーい!」
私は青いバラを持ったまま、自分の部屋に入った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます