第3話
暫く歩いていくと、道が3つに分かれていた。
おかしい。普通なら2つに道が分かれていて、右に進めば家に着くはずなのに。やっぱり私は見知らぬ場所に迷いこんでしまったようだ。
私は真ん中の道を選び、歩いた。普通なら右に行くところだが、どのみち家には着きそうにないし、たまには冒険も悪くないだろう。
すると、何か人影らしきものが見えた。体格からして男性だろう。
「あれ、葉月さん?」
「秋月くん?」
そこに居たのは、中学時代の友達、秋月月光(あきづき げっこう)君だった。少し変わった名前だけど、今時らしい名前。
それに名前に月が二つも入っていて、私は好きだ。だから私から声をかけ、仲良くなった。だけど、高校が別になってからは連絡をほとんど取っていなかった。なんでも高校は今の場所からかなり遠いため、一人暮らしを始めるとか言っていた気もする。
因みに私は葉月紬(はづき つむぎ)。名字に月はついてるものの、名前は至って普通。
みんなは女の子らしくて可愛い名前って言ってくれるけど、せっかくなら月が入ってる名前が良かったなぁ。でも、この名前も親が一生懸命考えてつけた名前だから、気に入ってはいる。
「秋月くん、どうしてここに?」
「葉月さんこそ、どうしてここに? 僕は中学時代の友達と会ってて、帰り道、ふと空を見上げたら、月が急に輝き出して……スマホを見ると8月32日って表示されてて。月だって青くなってるし、信じられる?」
「私は部活の帰りで……って、私も同じだったから信じるよ。ていうか、久しぶり!」
こんな状況だけど、私は久々の再会を喜んだ。
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