第1話

「今日は、雲で隠れて月が見えないなぁ」


 小さい頃から月を見るのが好きだった私。


 三日月、半月、満月、毎日色んな形になる。

 今日はどんな形かな? なんて思いながら、空を見上げる。月は明るいから、まるで夜の街を照らしてるみたいで、なんだかロマンチックじゃない?


 今日は天気が悪いわけではないけれど、月は雲に隠れて見えない。月が好きな私としては残念で仕方がない。……と思っていた矢先、


「……っ、眩し……!」


 急に月が現れたと思った瞬間、その月はとてつもない輝きを放っていて、目を開けるのがやっとだった。むしろ長く目を開けることは不可能だ。


 まるで太陽を見ているみたいだ。

 月って、こんなに眩しいものだったっけ?


 その輝きはすぐにおさまり、私は再び空を見上げた。

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