第3話

翌日



昨日ギルドメンバーで円卓会議について話し合った結果、参加することに決まった。


俺達は朝方ルイスに行き、円卓会議に参加の手続きをするため。ギルド・ソレスタルに足を運ぶ、中に入ると受付の窓口にクリスさんが立っていた。


「おはよう!クリスさん円卓会議に参加の手続きお願いします」


「分かりましたニャンそれではこちらの書類を確認後この石版の上に手を置いたらこれで参加手続き完了ニャン」 


セレナは書類を確認してから石版に手を置きこれで手続きが完了した。


「ニャン。セレナさん円卓会議頑張って下さい」


「ありがとうクリスさん、私達円卓会議に参加するの!ギルドが大きくなっていくかも♪」


セレナがクリスさんに円卓会議の参加する話を楽しく話していた。話しが長くなると思い。俺はみんなを一旦ソレスタルから出て、【猫の丘】で朝食を摂ることにした。


猫の丘に入ると、人が少なく、みんなが座れる大きなテーブルに全員座った。




朝食のメニューを見て全員が注文するのが決まった。



「俺はルイス産のタマゴ入りサンドで」


「わたしはマグマカレー!!甘口で」


全員の注文を聞いた、獣人の店員はすぐ厨房に向かった。


数分後


注文した物がテーブルに置かれる、たっぷり入ったタマゴがパンからはみ出ていて美味しそうだ。


レムが注文した、マグマカレーは12種のスパイスを鍋に混ぜて作る、日本で言うカレーライス。


レムはスプーンを持ちルーとライスを口に運んでいくと、「美味しい!」っとレムは喜ぶ、俺もタマゴサンドを食べる。


「うん、美味しい!」


アンジュ達も美味しそうに食べている、たまには外で食べるのも良いかもしれない。


「よお!レン、お前もこっちで食べてるのか」


隣からランディさんが来るとそのまま僕達と同じ席に座る。


「ランディさんルイスの街に来ていたんですね」

      

「たまにここの料理を食べるのが楽しみなんだよ、依頼の申請やセレ嬢と会う理由でよく寄って、一杯やってるよ」


確かにランディさんの言う通り、通いたくなるほどの美味しさだと思う。


「ランディさん俺達、円卓会議に参加することになったんだ」


ランディさんに円卓会議の件を伝える。みんな参加する事にした。


「そうかセレ嬢も円卓会議に参加するのか」


セレナもって事はもしかして。


「ランディさんも参加するのですか?」


「ああ、円卓会議はギルマスと他二名も参加するからその内の一人が俺だ」


ラグーの街ではデュナメスが支部となっているからランディさんが出てきても不思議ではない。


ランディさんと話しが終わってからセレナと合流して、ルイスの街で色々と不足していた。道具や食べ物を買い終えた後、拠点に帰る。


それから数日後にある円卓会議の場所が決まり、ギルド・アズマは行くことになった。アンジュ達は留守番を任せているがレベルも上がり。メニュー画面から召喚獣と離れていても呼べるようになった、もしピンチになった時に呼ぼうと思う。


◆◇◆


その翌日


ギルドに魔獣討伐の依頼が来ていたので僕はそれを受けることにしたメンバーは今回アンジュ達とセレナ達に留守を任せて。


馬車に乗りボーダ村に向かう、なんでも人の形をした魔獣が夜になると現れると言う実際、被害は無いが不気味なので退治してほしいと村長が依頼を出したらしい。


「その話しを聞く限りドッペル系もしくはローウルフかも知れない」


「もしくは拙者達と同じ召喚された者かも知れないでゴザル」


サラとライも魔獣討伐のメンバーで連れて来たが依頼の内容を聞くだけで推理するとは凄いと思う、アンジュは本を読みながら話しを聞いているが。 


あまり魔獣については興味は無さそうだ。


「そのボーダ村で魔獣が出てくるけど被害が無いって本当に魔獣なのかどうか分からないただもし会話が出来るなら話しで解決したい」


「マスター、もしその魔獣が会話が出来ても襲って来たら私は遠慮なく倒しますわマスターに危険があった場合ですけど」


アンジュは僕の顔を覗きこんでそう語った、確かに相手が友好的だったらの場合の話しだ。


「マスター殿、村が見えてきたでゴザル」


アンジュに心配しないでと伝えた後馬車の手すりから村を眺める高原のくぼみに村があった。



ボーダ村に到着後さっそく村長の家に訪問して詳しい話しを聞いた。


「ギルドの皆さん依頼受けていただきありがとう私はここの村で村長をやっているコーキーと言います」


コーキー村長の内容を聞くと。


夜に村の広場で魔獣を見たと村人達から連絡があって今日の夜また出てくるかも知れないので警備して欲しいと村長は言う。


「分かりましたコーキー村長、今日の夜私達は村を警備しますのであまり外出を控えるよう村の人達に伝えてもらいたい」


「よろしくお願いします今日は泊まる所を用意をしていますのでこれ地図です」


コーキー村長と話が終わり地図をもらい村長の家から出た。


「泊まる所まで用意してくれるとは助かった、今日は何処で野宿するか決めなくて済む」


「ふかふかのベットで良かったですわ」


「マスター少し地図を見せてくれないか」


アンジュが喜んでる横でサラに泊まる場所が描かれた地図を渡した。


サラは地図を少し見たあと僕に返してくれた。


「場所はわかったマスター案内をいたします」


「うん?もういいのかい」


サラから地図をもらい僕も地図を見ると村長の家から離れ村から離れた所に泊まる場所が書かれていた。


(少し離れた所にあるのか)


(マスター!泊まる場所から凄い気配を感じるです!あ、……気配が消えました)


リアラからテレパシーで話し掛けてきたそれも

泊まる場所から大きい気配を一瞬感じた、っと言うが。


(リアラ場所は泊まる所で間違いない?)


(はい、でも一瞬だったので位置を特定をすることが出来なかったです)


すみませんっとリアラは謝るが僕はリアラに教えてくれた事にお礼を言うとリアラから元気な返事が返ってくる。


サラが道案内役を買い前に行くその後から僕達は付いて行き泊まる場所に到着した。


建物は村と同じ作りで綺麗な建物だった、けどどこかで見たことがある作りだったどこか懐かしいと感じてしまう。


すると玄関だろうかドアが横に移動して中から出て来たのは黒色の長い髪を赤いリボンで結んで宿の制服だろうか着物を着た少女が出てきた。


「お待ちしておりました。ようこそ【夜叉の宿】に村長さんから聞いていますギルドの皆様ですね私はこの旅館で働いています【アヤメ】と申します以後よしなに当店では天然の温泉もあり夕食も用意しております」


礼をするアヤメ。日本と同じ感じをしたがやっぱりこれは温泉旅館だ。隣でアンジュとサラが

瞳をキラキラさせている。


「温泉♪温泉♪楽しみですわ」


「温泉確か源泉から出た湯を体に浸かるだったな。マスターもしよろしければ夜の見周り前に」


アンジュとサラは凄く温泉に入りたがっている、それにいつものサラとは違う感じがする。


「マスター殿これは入らないと見周りは出来なさそうでゴザルな」


「そうだねこの旅館で温泉入ってから夜の見周り行こう」


「やったーですわ!」


「分かりましたマスター!」


二人共揃って返事したあともうスピードで宿に入って行く。


「アンジュ!サラ!すみませんアヤメさん温泉初めてなので」


「ふふ♪いえいえそれとお客様、私のことはアヤメと呼んで下さい年もさほど変わらないかと」


「ええ、ではアヤメ僕のことはレンって呼んでくれるかな」


「分かりましたレン少しの間ですがよろしくお願いします」


アヤメに僕とライは宿に入る。これから見周りがあるが夜になるまで休憩しておこう。


そう僕は思った。



夜叉の宿で泊まる部屋に案内してもらい荷物を部屋に置き、温泉を楽しみにしていた二人は先に入りに行った。


ライは宿の中を探検に、僕はリアラを呼びさっきの大きな気配がないか調べてもらった。


「反応は無いです今の所ここの施設には気配はありませんがまた何か反応があればすぐお伝えしますね、マスター」


気配はないもしこの施設にサラの様な精霊もしくは召喚獣ではっと思ったが大丈夫そうだ。


「失礼します、温泉まだ入ってなかったのねレン」


アヤメが部屋の中に入りテーブルの上にお茶と菓子を置いて。


アヤメは僕の隣で足を綺麗に揃えて座った。

日本で言う【正座】である。


「ああ、少し部屋で休憩してから」

「そうだったのですか遠い街から来たのですか」


アヤメに僕達のギルドやセレナ達の事を聞かせた、するとアヤメの表情が明るくなり時々驚く表情もした。


コロコロと表情が変わるアヤメ面白い。


「レン凄い!ギルマスも私と同じ年でギルド作るなんてそれに仲間も竜人やスライムや精霊も入って冒険に出かけて時々街に行って武器や道具や美味しい物も食べて。まるで勇者物語の話しみたい!凄い!」


アヤメの瞳がキラキラと輝いている、アヤメの喜んでいる顔を見ると僕も嬉しくなる。


「アヤメは別の街に買い物とか行くのか」

「私は村の外で買い物とか行ったこと無いです……宿と村しか知らないです、でもたまに宿に来る旅人や商人に村の外の話し聞いたりしてます!それを聞くのが楽しいですので。だから外に出れなくても大丈夫です」


だからアヤメは僕の話しを聞く時に楽しそうに聞いていたのか、村に出たことがないから全ての話しが珍しいから。 


アヤメはハッ!とする。


「ごめんなさい私夕食の用意しないといけないから、レン外の話し聞かせてくれてありがとうまた外の話し……」

「いいよまた外の話しよう今度はドラゴンと冒険家の話しをしよう」


アヤメはクスクスと笑う、失礼しましたとアヤメは立ち上がり部屋に出た。


良かった、アヤメ少し落ち込んでいる様子があったけど大丈夫そうだ。




その後夜。


アンジュ達は温泉を満喫した後夜になった村に行き魔獣討伐の為夜間の見周りをした。


「マスター。村長が言っていた【人型の魔獣】が広場に出てくると言っていたけど何も気配は感じませんわ」

「アンジュ殿の言う通りここに魔獣の気配が全くしませんもしかすると何かの見間違いなのでは」


【人型の魔獣】僕達が依頼討伐の魔獣をそう呼ぶことにした、マップで確認するが赤いマーカーは出ていなかった本当に何かの見間違いだったのか。


村の広場から少し離れた所から僕達は建物の影に隠れながら探したがいない。


「………もしかして」

「サラ何か分かった?」

「いえマスターを混乱させる事になるかも知れません」

「サラ頼む教えて欲しい」


サラは少し溜めてから分かりましたっと言う


「実はこの村に来た時に妙な感じがありましたそれも普通の人では分からない」

「分からない?」

「村長に会った時と村の人達の感じがまるで……」


ガシャ!ガシャ!


広場の奥から何か金属がぶつかる音が聴こえてきた、するとマップに赤いマーカーが数体出てきた!


「ごめんサラ。討伐対象が出てきた!あとで聞くよ」

「マスター広場を見てください」


広場の中央に鎧を着込み顔の半分は鬼の面を被っていた、スキル〈鑑定〉するとレベルは不明

     

種族は【鬼神】っとなっている。


鬼神オーガーあの着てる鎧ライっとそっくりですわ」

「もしや拙者と同じ世界の者か!?」


アンジュの言う通り確かにライに似た鎧を着込んでいる。


それは【武者】の用に見えた。するとこっちに気がついたのか鬼神は手に持つ刀を僕に向けた。

      

「我の名は……夜叉丸!……お主の名は……」

「ギルド・アズマ所属アズマ・レンだ!!」


鞘からマグナを取り出す夜の空に輝く2つの月は広場を照らしマグナの剣が反射して光る。

    

       

「我は……お主に決闘を申し込む受けるか受けないか……」

「分かったその決闘を受けさせてもらう」

「ちょ!ちょっとマスター!決闘を受けるって相手からものすごい魔力を感じますわ一人よりみんなで戦った方が!」


僕はスキル〈テレパシー〉でアンジュ達に話しかけた。


(僕が夜叉丸を引き受けるから他の敵が近くにいるからアンジュ達はそれを任せたい) 

(確かにマスターの言う通り近くに負のオーラが多数いますアンジュここはマスターの指示を聞きましょう)

(分かりましたですわ)

(拙者も異議なしでゴザル)

   

三人はすぐ散開したアンジュ達に他の敵を任せ、僕は夜叉丸に問いた

 

「何の目的でこの村に現れたのか分からないが理由を聞かせてほしい…」

「話し……わ……終わりだ……参る!!」


話している途中で夜叉丸の刀が迫ってきた!すぐにマグナで夜叉丸の刀を受け止めた。


(話合いではダメか、この刀やけに禍々しいがこれは)

(マスター!それです例の大きい気配を感じたのは!まさかあの刀からだったなんて)


リアラは驚いている、昼間に宿の近くで気配を感じたのはこれだったのか宿の近くに夜叉丸は居たってこと。


「なんとかしないとアヤメも危ないかも知れない!」


刀を弾いて一旦夜叉丸から距離を置きマグナをガンナー形態に。


「《メガデ・ルサンダー》!!次!《フリージングバレット》!!」


マグナの銃口から雷撃の塊が発射された後氷の塊が空に向かって飛んでいく。


夜叉丸は刀で雷撃の塊を受け止め全身に電撃が走り身動きがとれなくなった、上空に巨大な氷の塊が浮かぶ。


「全てを凍てつかせ!《ダイヤモンドダスト》!!」


上空にある巨大な氷の塊が夜叉丸の上に堕ちた

氷の塊は夜叉丸に激突したあと、氷の柱の形になった。


「マスター!やりましたねこれで依頼は!」

「まだだリアラ!隠れて!!」


氷の柱は形を維持が出来ないまま一瞬で粉々に砕ける。中から夜叉丸が現れる。


   

「……天照大神・滅!!」


夜叉丸の刀が光り輝きそのまま振り下ろす、地面は大きく裂けていき僕が立っている地面が裂けていきそのまま吹き飛ばされ民家の壁に身体がぶつかる。


(ウゥ…ギリギリ受け身したから大丈夫だけど強い!桁違い過ぎる)


夜叉丸は刀を構えたまま近づいて来た。


壁から離れ僕はスキル〈分身〉を使うもう一人の分の自分が現れ一瞬夜叉丸は動きが止まる。


二人同時に走り夜叉丸の方に突っ込んだ、マグナの刃を夜叉丸の身体に走らせる。


夜叉丸の持つ刀で防がれるがもう一人の方は後ろに回りこみ奇襲をかけようとしたが夜叉丸は身体を捻らせて刀でまた防がれてしまうが、

隙が出来た所からマグナの刃を夜叉丸の身体に攻撃していく。


「オオォーー!!!」

「グォォ…!!」


手に持つ刀が光っているまた同じ技を使うと予測して大きくジャンプした夜叉丸は刀を横に斬るがそれを避けた。


僕は手に持つマグナを鞘に収めてアイテムボックスから雷鳥の弓を取り出す。


「狙い撃つ!」


「《ハリケーンアロー》!!」

竜巻を纏った矢を夜叉丸に向けて放つ!すると突如と大きな竜巻が夜叉丸中心に発生する。


「……《ヤタノカガミ・月》!!」


夜叉丸の身体が光り輝くともう一人の分身が消え竜巻も消えてしまったがこれは時間稼ぎの為の技。


「竜巻が時間稼いでくれたお陰でチャージは出来た!」

「……!!?」


手に持つ矢が紅く光るそれは宝石の様に輝く。


「《エクスプローション・アロー》!!」


矢が放たれ夜叉丸は避けようとせずにその矢を刀で受けると大きな爆発が起きた、紅蓮の炎が夜叉丸を包み込み見えなくなった。


「凄い威力だ!でも魔力半分も減っている今の内に回復しておかないと」


マジックポーションをカバンから取出し飲む、飲み終えて夜叉丸が出てくるのを待った。


「……まだ……戦える……」

「さっきの攻撃食らっても!?ダメなのか」


爆発が収まり視界が開くと夜叉丸の身体はボロボロになっている。


(多分立つのもやっとだろう)


すると頭の中で声が聞えたその声の正体がサラだと分かった。


(どうしたんだサラ?)

(マスター全ての敵を捕獲しましたそして重大なことが分かりました)

(重大なことそれは?)


広場に三人が戻ってきた、捕獲した敵を引きずりながら。

            

「マスター捕獲しましたわ。それも人族を」

「人!?どういうことだ」


なぜ人なんだ夜叉丸の感じから魔力が多い魔獣だと思っていたから敵も同じだと。


「マスター私が話しの続きを伝えます、この村から人の気配が全くしませんでしたがそれとは別の気配をこの村から感じました」

「その別の気配って」

「魔物の気配です」

「!?」


サラから出てきた言葉に驚いてしまった、まさか今僕達がいるこの村は。


「ボーダー村通称【魔物の村】と言うことになるでしょここの人達は魔族と言うことになります」


サラは落ち着いた声で答える、じゃあここに捕まえた人達はなんでこの村を襲撃したのか。


「それは私が答えましょう」


広場の入口から今日会った村長が現れた、だが今日会った時の雰囲気が違った。


「魔族には膨大な魔力を維持する為に身体の何処かに魔核(コア)を持つそうする事で膨大な魔力が暴走せずに済ます」


魔核、武器や防具に魔力を付けることで性能を格段に上げたりポーションの材料としても使われる。


(だけど性能が良いから値が張りあまり買えた物ではない)


「その人達は村にいる魔族の魔核コアを狙って襲った!?」

「正解!そうです。ちなみにそこの人達は私が雇った傭兵ですけどね!」



村長の姿が変わっていくそれは禍々しく、大きな角が生えもう人では無くなっていた。




???







やしゃまるー!!ここにいたんだ探してたんだよ。



少女の声が聞こえる、我に話しかける者。




夜叉丸!お父さんとお母さん呼んでるよ!話しが終わったら一緒に食べようね。



我はあの少女を護る者少女の家族に頼まれ、我は承知した。



夜叉丸……私の家族何処かに行ってしまったの。でも私、夜叉丸がいるから大丈夫だよ。


それにここの宿は私が頑張って営業しないと。



我は少女の悲しむ表情を見るのを堪えれなかった。 我が出来る事……護ることだけだ。




    ◆◆◆




ボーダー村の広場で僕はコーキー村長いや魔族のコーキーの姿が鬼に変わり夜叉丸がまた刀を構える。


「そうです夜叉丸貴方はあの男を倒すのですそしてこれが終わったあとは魔族達のコアを全て回収するのだぁ!!」


夜叉丸は地面を蹴り走る刀は僕の方に迫り斬りつけて来た!!


ガチィーーー!!


金属が擦れ合う音が響く僕はマグナで刀を受け止める。夜叉丸の刀が光る。


「《スサノオ・激》!!」


刀の振る速度が速くなりマグナでは受け止められないくらいの無数の斬撃が身体を斬りつける。


夜叉丸に蹴られる吹き飛ぶが態勢を立てなおす。


「うおおー!!」


マグナを持つ手に力を込め夜叉丸に突撃する。


「《ソードインパルス》!!」


片手に持ったマグナを目に止まらない速さで

夜叉丸を斬りつけるが。


    

ほとんどの斬撃が夜叉丸の刀で防がれる


「!?」

「……オォ!!」


夜叉丸の刀で防がれると同時に刀の斬撃が飛んできた。


「ウゥ!?」

「マスター!今すぐ加勢に!!」


アンジュはレンが斬撃を受け倒れた。見て加勢に行こうとした。


              

「待てアンジュ殿これは二人の決闘だここで手を出せばマスター殿の信頼を無にすることになるでゴザル!」

「くぅ!……マスター!……」


アンジュは噛みしめ我慢する、それはマスターを助けたい。だが、それはマスターを信じていないという意味になる。


「夜叉丸早く倒せ!貴方に渡した刀はその程度ですか」

(刀?もしかして夜叉丸があれ程の力を出すのはその武器のお陰なのか)


サラはコーキーの方に視線を向けた。


(直接本人に聞いてみるか)


サラは気付かれないようコーキーに近づいて行った、今はマスター達の戦いを観ているので、近づく事が出来た。


「コーキーよ夜叉丸の刀……何を細工しているか教えてもらおうか」 

「いつの間に!?」


コーキーは驚いた、だがすぐ落ち着きサラに攻撃して来るがサラはそれを避ける。


サラは答えてくれはなさそうだっと判断し武器を持つ手には長いロープの用に金属が伸びていたそれは【武器】ムチだった。


「少し痛いがすぐ慣れる」


サラは相手をただの玉乗りゾウの様にしか見えてなかった。彼女がコーキーを調教するのはそれ程時間は掛からなかった。



     ◆◆◆



「くぅ!」


僕は夜叉丸の刀の斬撃の雨を受ける、だがこのままでは負けてしまう。


(もう止めて下さいこのままじゃ!マスターがマスターが!)


リアラの声が悲しみでいっぱいなのが分かるでも決闘を受けた以上はいや、多分僕は夜叉丸を止めたいんだ。よく分からないが、戦っている時の夜叉丸は何処か苦しそうだった。


(リアラ、僕は夜叉丸を止めたい!だからリアラ!力を貸して欲しい)

(………はい!マスター!)


その時僕の名前を呼ぶ声が聞こえた、サラの声だった。


「マスター、その夜叉丸が持つ刀は相手の潜在能力を高めると同時に自分の意のままに操ることが出来る【魔道具】です」


【魔道具】この世界にそんな物がじゃ夜叉丸はコーキーに操られているのか。


「それを壊せば夜叉丸は正気を取り戻します。マスター」


壊すにも今は刀のスピードが速く、マグナで防ぐのがやっと、一体どうすれば良い。


(良い案があります、マスター!)


リアラからそれを聞く、その作戦は一か八かの大勝負だった。


「その賭け僕は乗るよ!」


すると突然大声で泣き叫びながら夜叉丸の名を呼ぶ少女がいた。


「夜叉丸止めてーー!!もう止めて!!」


それはアヤメだった。必死で夜叉丸の勝負を止めようと叫ぶが、刀が止まる気配がなかった。


「もう…止めて……レンは私の……初めての友達なんだよ…夜叉丸は……私の……最後の家族なんだよ……どうして二人が戦わないといけないの!!」


夜叉丸から離れ距離を置く、夜叉丸はアヤメの家族だったのかそれに最後って。


「小娘!夜叉丸がなんで戦うか分かるかそれはお前を護る為だ小娘!」


コーキーが身体の動きを止まったまま喋りだす、サラの力によって身体を動かせない状態のようだ。


「貴様の両親が行方不明となり、今は温泉宿に小娘とあの鬼が二人だけ。それなら小娘の持つコアを貰おうと計画していたのがどこで知ったのか私に交渉を持ちかけたのだあの鬼が」


多分鬼って夜叉丸のことだろう。


「鬼は私に力を貸す。代わりに小娘のコアを奪う計画は無しにっと言うてきた。だが、私は

この村のコアだけでは満足出来ない。だから!!鬼に約束をするフリをして、魔道具を渡し洗脳し!!私の命令を聞く人形に生まれ変わらせたのだ!」


アヤメは涙する自分が原因で夜叉丸が操られ。今も二人は戦っている、胸が痛むアヤメ。


「さぁ夜叉丸その男を倒し次はアヤメのコアを取るのです!ぐはぁ!!?」


コーキーは倒れるサラのムチに叩かれ気絶したのだろう。


「少し眠ってもらった。」


サラが不機嫌そうだ、今の言葉を聞いて不愉快にならない者はいない。


今、自分が出来る事は夜叉丸の持つ刀を破壊するしかない。手に持つマグナを構え今までない程の力が身体から溢れてくる。


「夜叉丸、今、アヤメが泣いている家族が泣いている。すぐその刀を壊してアヤメの涙を止めるそれが自分の出来る事だ!」

「……!?」


全力で走る、夜叉丸に近づき刀を狙った、夜叉丸は自分に攻撃してくると思ったのか防ぐ態勢になる。


刀が前に出してくれたお陰で狙い易くなり刀に集中攻撃した。何かに気づいたのか夜叉丸は

マグナを弾き返すと自分の刀を見ると刃がボロボロになっていた。


「……どうい……ことだ…」


夜叉丸の刀がボロボロになっていた。僕が手に持つマグナに魔力を限界まで注いでいる。どんな物にも魔力が宿り大きい程その物の力が発揮しやすくなる。


マグナの能力はどんな物も破壊する力だとリアラから教えてもらった。マグナを限界まで魔力を注ぎ込むことで能力が使えた。


     

「これが【ブレイカー】の能力、これで最後だ!」

「……おお!」


夜叉丸の刀にマグナで攻撃した、刀はバラバラになり夜叉丸の動きが止まった、ゆっくりと膝を着いた。


夜叉丸を止めることが出来た、残っている魔力も全部使い決闘が終わった後は急に身体が重くなり倒れそうな所をライが支えてくれた。


アンジュも寄り安心した表情をしていた。


「この決闘は、マスター殿の勝利ですおめでとうございますマスター、」

「もうマスター、無茶しすぎですわ次からは無茶は程々にして欲しいですわ本当に」

「ありがとう、ライ、アンジュ、僕もうヘトヘトだ」


アンジュとライは笑みをこぼす、ギリギリ勝てたが今回は危なかった、防具も籠手も限界になっていた。あれだけの斬撃を受けて壊れなかったのが不思議なくらいだ。


そしてアヤメは倒れた、夜叉丸の方に向かい呼び起こした。


「しっかりして夜叉丸!、夜叉丸!」


夜叉丸の方にレン達は集まる。レンは夜叉丸の身体に一体何が起きたのか〈鑑定〉で調べた。



夜叉丸


【状態】魔力渇望



【魔力渇望】魔力が無くなる。



魔力が0になると、身体と精神が崩壊し、最悪消滅する危険がある状態に落ちる時がある。


「そんな……刀が夜叉丸の………魔力を吸収していたってことか」

(マスター…………夜叉丸さんの身体はもうじき消えると思います魔力が無くなり、崩壊寸前だと思われます)


リアラがそう言うと、レンは自分はあの時、刀を壊す方法以外のことが出来たじゃないのか?っと自分を責めた。アヤメは涙を流しながら夜叉丸を呼び起こしていた。





「ア……ヤメ……そうか……我は……あの男に騙され……操られたのか………」


夜叉丸は手を上げてアヤメを探す、もう眼が見えていないのだろう、アヤメは手を優しく握りしめ夜叉丸は落ち着く。


「……済まない我は騙されお主をもう少しで危険な目に合わせる所だった……」

「私は……、生き………てるよ…………だから帰り…………ましょ私達の家にまた二人で宿を大きくしない…………と」


アヤメは泣きながら夜叉丸に伝えるが、夜叉丸は首を振る、それは家に帰らないという意味なのかそれとも。


「……お主はこの村から出てもいい頃だ……もう己を縛るのは終わりだ……両親のように宿を受け継がなくていい……我を召喚した両親のような真似事もしなくていい……アヤメはアヤメだ」

「でも私が村に出たら宿は……夜叉丸は……どうするの私の両親が帰って来たら……心配するよ。お父さん、お母さん」


夜叉丸は僕の方に向ける眼は見えてはいない多分気配で分かるのだろう。


「決闘は主の……勝利…だ…済まないが我のたった一つの頼みを…」

「ああ、夜叉丸言ってくれ」


夜叉丸は見上げる。夜の空から暖かな光りが射し込み空が青くなり、夜が明ける。



「アヤメを……外の世界に連れて行ってもらいたいまだまだ……世界は知らない事が沢山ある。そして今まで何も……してあげれなかった我の代わりに……少年よどうか……頼む」

「ああ、アヤメの事は任せてくれ、外の世界をまだ見たことない景色を!約束する」


レンは夜叉丸の方を見て伝えるが、夜叉丸はもう半分光りの粒子になっていた。



「かた………じけな……い」 


夜叉丸はアヤメの手を握り返す。


「アヤメを……少し我は眠る……眠るまでの……間手を……握っていてくれない………だろうか…」

「うん!」


アヤメは涙を溢れながら夜叉丸の手を握る、夜叉丸の身体がもう半分まで光の粒となって消えかけていた。


「ありが……とう……、ア……ヤメ……」

「おやす……ウゥ……み…なさい……夜叉丸」


夜叉丸の身体は光の粒子になって消えていった。


アヤメは涙が溢れ、泣き叫ぶ、そのまま僕達は彼女が泣き止むまで見守る。


僕達の依頼が終わったのは夜が明けた時だった。 





元村長コーキーの企みを阻止し村の人達に今回の一件を話した。村の皆は動揺をする、まさか自分達のコアを狙ったのが同じ種族で村長だったなんて確かに不安を感じる。


今回の件は事を大きくすると、この村でまたコアを狙う賊が現れる可能性がある。


ここは相談が出来て頼りになる人に聞くしかないね。


僕はスキル〈テレパシー〉でランディに連絡をした、デュナメスに今回の件は


(ランディ聞こえますか?僕レンです)

(ん?その声、レンなのか!?)


驚いているランディに今回のボーダー村の件について話した、全てを話した後ボーダー村にギルドを置く事を検討し捕まえた傭兵は隣街にあるギルドに引き取ってもらいすぐに向かわせるっと。


スキルのテレパシーについては魔法石を使ったっと、ランディに伝えた。


「とりあえず今俺達が出来る事はこれぐらいだ。村の人達全員が魔族って件はなるべく広まらないよう気おつけないといけないな」

「ありがとうございますランディ僕もそろそろ通信切ります」

「ああ、またいつでも相談は乗るぜ、レン!終わったら猫の丘で会おうぜ」

「良いですね、では夜に!」


通信を切る依頼が終わったら猫の丘でランディさんと会う約束した。店長が作る料理食べれるのが楽しみだ!


それからしばらくした後。


「マスター、村の外からギルドが来られたっと村の人達が報告がありましたわ」

「多分ランディが言っていたギルドの人達だもうそんな早く」


隣街からギルド【ログ・ホライゾン】が村に来た後、捕まえた傭兵を渡しギルマスらしき人から村で起こった事を教えて欲しいと、その人はギルマスの補佐でランディの友人だった。


今後別のギルドがボーダー村を守る事になるかも知れないと言われたので。起きた事を全て話した後は、捕まえた傭兵とコーキーを馬車に乗せて街に戻った。


そして、村で出来る事を終えてからアヤメがいる夜叉の宿に向かった。


夜叉の宿に着くと、宿の前にアヤメが立っていた。片手に大きいカバンを持ち、もう片方は布で包まれた細長い棒を担いでいた。


「私は考えました、このまま村の温泉宿で働いて暮らして行くのか……それとも、この宿を離れてレン達と一緒に外の世界を見に行くのか」

あの後アヤメを一回宿に戻ってもらい、考える時間を作った、夜叉丸にアヤメを頼むと言われたがアヤメがそれで良いのか返事をもらっていない。


もしこのまま連れて行っても心残りになってしまう、だからアヤメに考える時間を作った。


「返事が聞きたい君はこのまま村に居るのかそれとも……」

「私は!!また大事な人がいなくなる事が怖いの小さい頃は両親そして次は夜叉丸、そして次はレンがいなくなるのが怖い!」

「俺はいなくなったりしないセレナ達やアンジュ達を、アヤメを置いていなくなったりしない!約束するお前を置いていったりしない」

「!!」


アヤメはその言葉を聞いて安心したのか、涙が溢れていた、サラがハンカチを取り出しアヤメの涙を拭う。


「アヤメよ大丈夫だマスターは言ったことは必ず守る私達信頼しているマスターの事を」


アヤメは涙を拭い僕の瞳を見る。


「私をギルド・アズマに入らせて下さい私はこの眼で外の世界を学びそしてまた自分だけの宿を建てます」

「分かった。メンバーの加入歓迎するよアヤメ」

「よろしくお願いします、レン!」


アヤメは喜ぶそしてボーダー村に別れを告げて

僕達は拠点に帰る。新たな仲間アヤメと共に、帰り道の途中で魔獣に遭遇する、敵はスケイルナイト三体だった。


アンジュ達ならすぐ倒せるがアヤメが前に出る。


「アヤメ!?」

「見ていて下さいレン、これから私の実力を少しお見せします」


アヤメは布で包まれた細長い棒を取り布を取った。現れたのは宝飾が施された棒だった。


「私の得意【武器】は槍です」


槍って確か距離を保ちながら敵を攻撃する武器だけど槍の尖端が無い、だけど棒の先から物凄い魔力を感じた瞬間、魔力で作られた刃が現れた。


「ギルド・アズマ所属アヤメ参ります!」


スケイルナイトはボロボロの剣でアヤメに襲いかかるが、魔力で作られた刃を大きくして横一閃で三体のスケイルナイトの胴体が離れる。


(凄い!一瞬で三体を倒した、それにあの槍から膨大な魔力を感じる)

                 

槍を持つアヤメの姿を見るとまるで、戦場を駆け回る【戦姫】のように錯覚を感じた。




遭遇した魔獣を一瞬で倒したアヤメ。さっき使った技は一体何なのか?考えながら拠点まで続く街道沿いを歩く。


「アヤメ、さっきのは【魔法錬成】か?」

「はい、お父さんから教わりました、まだ修行の途中ですが」


サラはアヤメにさっきの技を聞いていた、さっきの戦闘で使った技は、【魔法錬成】とアヤメは答えたけど。


その魔法錬成について教えて欲しいっと言うとアヤメは説明してくれた。


「【魔法錬成】それは魔力を持つ者なら誰でも使える能力の一つです魔法を発動する時、錬金術で物を創り出す時、膨大な魔力を持つ魔族が人の姿になる時も魔法錬成は使われてます」


セレナが使う魔法や僕が防具や武器を作る時も魔法錬成を知らない間に発動しているのか、でもメニュー画面のスキル覧に無い。


アヤメは手を開くと光り輝く玉が浮かびながら現れた。


「玉から魔力を感じるアヤメ」

  

「【#魔力__マナ__#】と私達は呼んでいます今、私は魔法錬成を使って玉を作りだしました。これは私達魔族や上級の魔法使いなら出来ますが例え魔力を持っていても生まれた時の魔力量によっては作り出すのは難しいとお父さんは言ってました」

「じゃあさっきの戦いで棒から刃の形出したのは?」

「発動する前に刃の形を頭の中で想像してから刃は出てきます」


つまり魔法錬成は想像力でどんな物でも形を変えることが出来る。ただし、頭の中で曖昧な想像すると使えない、具体的な物なら使える。


(マスター!光る玉を接触して下さい)

(リアラ?こう、かな?)


アヤメが出した、光る玉を触るとピローン!っと電子音が鳴った。


新しいスキル〈魔法創生〉を取得しました。


新しいスキル〈魔法創生〉と〈作成〉を統合。


スキル〈魔法創生〉が消えました。スキル〈作成〉が消えました。


新しいスキル〈魔法創作成〉を取得しました。


急に新しいスキルと前のスキルを一つになった、〈統合〉ってこんな事も出来るのか。


「あ、あの……レン、その……手……を…握って…」

「さっきの光る玉が消えている?」

「レン!アヤメの手をいつまでも握ってますの」


アンジュが僕の手とアヤメの手を引き離し、アンジュは僕の手を握る。


「マス…レン!あまり他の女性と手を握るのは、………良くないですわ!」

「アンジュ、マスターがアヤメと手を握ってヤキモチを焼かなくても」

「ヤ!?ヤヤヤ!!ヤキモチ焼いて!いないわよ!サラはなんとも思わないのレンの事!?」


アンジュが顔を真っ赤にしながらサラに問う、アヤメの方も顔がアンジュと同じ様に真っ赤にしている。


「私はマスターを信頼しているそれに私達はマスターと召喚獣、関係は切っても切れない関係だアンジュもそれは、分かっているだろう」

「それは!分かっているわよもう!だから!」


サラとアンジュは街道沿いを歩きながら議論をしていた、後ろでライはやれやれっと呆れている。アヤメは少し僕の方を見てから、また真っ赤になり下を向く。


アンジュもアヤメもどうしたのだろうか何か不味い事でも?


(マスター、もう少し女の子の気持ち分かって下さい)

(?)

拠点に着くまでアンジュとサラの議論は続き、

顔を真っ赤にしながら歩くアヤメもだった。


拠点に着いたらセレナに昨日の報告した後、猫の丘でランディに会ってまた店長の料理が食べれるそう、思う僕だった。



拠点に帰ってきた、僕達はギルドの受付に向かう、中に入ると鎧を着た大男が受付で暇そうにしていた。


「よぉレン、久しぶりだな」

「ベルセルク!?」

「今あいつらはラグーの街に行っているその間俺がここの留守と受付をしていた誰1人来なかったよぉ」


ベルセルクはセレナの召喚獣で前、ラグーの竜人の件で一緒に戦った以来だろうか、ベルセルクは他の召喚獣と違う感じの印象と見ていてる。


「それよりレン。さっきランディとその連れと一緒に来て厨房が空いているか聞かれたが誰もいないから構わないと言った後、隣の建物に入って行ったぞ」


確か猫の丘で食事をする約束していたが、何の用で来たんだ?とりあえずベルセルクに受付を任してギルドから出て生活拠点に入る。


廊下を歩いていくと食堂から良い匂いがしてくる。


「これは美味そうな匂いでゴザル」

「確かにハーブや果物の香りもしてきますわ」


アンジュとライ、二人は食堂の中に入って行く僕とサラとアヤメも後から入る、イスに座りながら本を片手で読んでいる、ランディを見つけた。


「ランディ、ここに居たのか、僕達の拠点に足運んだのは一体?」

「よお!実はレン。猫の丘で約束していたが、

ギルド・アズマで食べる事になった」

「?」


どういう事だろうと思った時にすぐ答えが分かった、厨房から猫の丘で料理を提供している店長が現れた。


「おかえり、それともう少し時間掛かるからスープでも飲むか?」

「店長!?」

「あなたは確か料理人の旅人さん」


ギルドに何故か店長がそれとアヤメがさっき料理人の旅人と言っていたが、知り合いなのだろうか。


「おう!久しぶりだな、村の外に出たんだなアヤメちゃんよし今日は祝いに【レッドライス】でも作るか!」

「良いの!久しぶりに旅人さんのレッドライス食べれるの楽しみ!」


アヤメは嬉しそうにしている、それにレッドライスってどんな料理だろうか。


その後セレナ達が拠点に帰って来る頃に料理が出来上がり、全員食堂に集まった。


「私、ギルマスのセレナ。よろしくねアヤメちゃん」

「私はミュウと申します。よろしくお願いしますアヤメ様」

「いえ、ここ……こちらこそ。わわ!私はアヤメと言います以後よしなに!」


アヤメが緊張している。これが本来のアヤメなのだろう、隣の席にクロエラと横にレムが並ぶ。


「レン、またボーダー村の依頼で起きた事件とアヤメを何処でゲットしたか教えて」

「ゲット…って、そんな事してないよ」


クロエラもボーダー村に行く前、行きたそうにしていたなそういえば、食事しながら話そうか。


「レンおにいちゃん、今日はカフェでレム働いたんだよ。すごい?」


レム今日は凄くご機嫌そうだ、依頼でカフェ行ったのが良かったのかな。今度、僕もカフェの依頼受けてみよう。


店長とアンジュにサラが料理を運び終わり。

ライの料理も運び終わり、みんなで手を合わせ僕は合図をだす。


「「「いただきます!!」」」


店長が作った料理を、楽しむ、口に料理を運ぶのが止まらない!


「「美味しい!!」」


目の前に現れた黄色の衣に包まれた食べ物、店長が言っていた。【レッドライス】の正体は日本で言う、オムライスだった。一口食べると卵と酸味のあるケチャップライスが絡まり、口の中が幸せいっぱいになった。


(確かにこれはアヤメもよろこぶ料理だ、それにこの味隠し味に生クリーム使っている。よりタマゴがふわふわになって口の中で溶けていく)


レンはオムライスをゆっくり味わってたべていった。




そして。


テーブルに置いていた料理を食べ終え、セレナ達はお風呂場に。アヤメと店長は二人だけ何かまだ話す事があるそうなので食堂に残った。


鍛冶部屋で籠手と鎧をテーブルに置く、夜叉丸戦の時にもう、限界が来ていた。ラグーの街からずっと一緒に冒険して使い続けてきた。


鎧と籠手を〈合成〉した、レベルアップしてスキル〈合成〉も色々と使える様になった。


「今までありがとう」


鎧と籠手は杖の形に作り直した。たまに来る通りの商人に渡して、良い人に買い取ってもらうよう言っておかないと。


僕は一通りのことが終わった後。


鍛冶部屋から外の空気が吸いたくなり一旦生活拠点から出る。


辺りを見るとルイスの街が街頭の灯りで綺麗に光り、夜空には幾つもの星が光り輝き2つの月が出ている。


「こんなの元の世界じゃあ見れない光景だ。この世界に来て色々な事が初めてで新鮮だった次の円卓会議は一体どんな所か楽しみで仕方がない!」


僕は高原に寝転がり夜空を飽きるまで眺める、円卓会議がいつ始まるのか後、鍵の情報が貰えるのか分からないが。


何が起きてもセレナ達と協力して立ち向かう事が出来るっと僕は思いながら夜空を眺めていた。





               



  


特別編  年齢は関係ない!




ギルド・アズマの生活拠点で依頼を達成したレンとアンジュ達は少し遅いお昼をしていた。


「そういえば、ライは今何歳なんだ?聖獣は分かってるけど」


僕は少し気になったライやアンジュ達は人の姿になっているから余り気にしなかったが結構聖獣っと呼ばれているからやはり長い生きしているのだろうか。


「そうでゴザルなぁ800年生きているでゴザルが人族で言えばまだ15歳でゴザルよ」

「僕より大人に見えるけど僕の歳よりも一個下だったんだ」


人の姿になっているライの見ためは僕達よりお兄さんって感じはしていたが、ライはしっかりしているからそういう風に見えたのだろうな。


「私は2000年生きているけど今の姿はマスター達に合わせて歳を同じにしているの。だからマスターが大人だったら大人の姿、子供だったら子供の姿を変えてますわでもそれは〈進化召喚〉に限ったことですけど」

「アンジュ殿は見た目は少女でゴザルが中身はおばあ………あ、痛い!」

「レデイに対してもう少し気おつけて置くことですわ!」


ライの靴を踏んづけながらアンジュは怒る、確かに召喚士の歳に合わせた方がより親しくなって良いかも知れないが、それはさっきアンジュが言った〈進化召喚〉で本来は獣もしくは天使や精霊と言ったものだろうな。


「マスター、次の依頼はどうしましょ」

「そうだ午後から魔獣の討伐だったねサラ」


サラとアンジュは食器を片付け僕達はテーブルを綺麗にした後、魔獣の討伐に向かった。


     ◆◆◆



「ねぇ、ミュウって私と同じ年齢?」

「どうしましたセレナ様?」


セレナはうーん、っと考えているギルマスの部屋でミュウとセレナ二人は依頼の優先順位と他のギルドに依頼を任せる書類を作っていたが急にセレナがミュウの歳を知りたくなった、っと言う。


「そうだったのですか。私は竜人ですがまだ生きて200年しか生きてないです竜人は500年でようやく成人なのでまだまだ私は子供です」

「でも私が小さい頃はミュウも小さかったし学校でも同じ身長だったし胸は………あれだけど確か100でも竜人は人と同じ18歳ぐらいだった様な?」


うふふとミュウは笑う、お代わりの紅茶をセレナに注ぎながら言う。


「それは私がセレナ様と同じ人生を歩みたかったのです、竜人は姿を変えることが出来ますのでセレナ様と同じ歳になり一緒に外で遊び一緒に学校に行きそして一緒にギルドを結成したいと思っていました今は立派にギルマスとなり皆を引いて行ってますこんな嬉しい事はないです誇りです」


セレナはびっくりしていた、じゃあ小さい頃は妙に落ち着きがあって学校が偶然一緒だったのはそういう事だったんだ。


「私、これからもミュウと一緒に大きいギルドにしていく!だからこれからも一緒にいてねミュウ!」


セレナはぎゅーっとミュウに抱きつく、少しおどおどするミュウはレン達には見たことない表情をする。


「はい、セレナ様これからもずっと一緒です」


照れながらミュウはセレナにそう伝える。




 特別編 アヤメと少年



「これなら大丈夫かな」


ギルド生活拠点 畑場



生活拠点で育てている、野菜や果物、家畜用の魔獣型の鳥など食料調達ではギルドメンバーのお腹を満たす事が出来ないとアヤメがギルドに入ってから最近育てている。


「果物もよく育っている、これなら美味しい果実できそうね、あとコッコの卵も沢山採れたから今日はレン、【おむらいす】を作ってくれるかな?あと、【あいすくりーむ】のデザートも」


アヤメはカゴ沢山に卵と野菜をいれて生活拠点に還って行くと、草むらから、魔獣のオーク数匹とウルフ数匹が現れる。ここ最近近くで飼っている家畜を盗む魔獣がいるらしく。まさにその魔獣達だった。



ぐるる!


ぐぎゃ!!


オークとウルフ達は野菜に手をだそうとした瞬間、オークは魔弾に当たり、倒れる、ウルフ数匹も巨大な剣に切り倒された。


ぐるあ!?


「マップの範囲に反応があったから、君達が来るのを待ち伏せしていた」

「レンが酒のつまみを出すと言うから付いて来たが、オークと犬だけか」


レンとベルセルクが果物の木から姿を現す、オーク達とウルフ達は二人を見るなりすぐ逃げていった。


「なんだ?逃げたが追いかけないのか、レン」

「大丈夫、向こうにはアンジュ達が待機しているから」

「そっか、じゃ俺は食堂で待ってるぜ」


ベルセルクは剣を担ぎながら食堂に向う、すると、すれ違いにアヤメが畑に戻って来た、レンはアヤメがきたのでマグナを鞘に戻す。


「レン?畑に来ていたんだ」

「あ~少し、畑の様子を…ね」

「そっか、でも丁度これ、レンに渡そうと思って、はい!」


アヤメは手を広げる薬草が乗っていた。それもポーションの材料になる薬草だった。


「これってポーションの材料」

「実はこの近くにポーションの材料になる薬草が沢山生えていたの、レンが薬学しているってミュウから聞いたの、役に立つかな」


アヤメから薬草を優しく受け取るレン、アヤメに「ありがとう」っとお礼を言う。


「また見つけたら、渡すわ、あとセレナにも、綺麗な石があって」


アヤメは嬉しそうに話す、姿を見てホッとする。ギルドに慣れ、依頼やセレナ達と買い物行ったり知らない事を沢山見れて喜んでいた。


「アヤメ用の新しい槍を作ろうと思うだ」

「いいんですか!レン、わたし専用…うふふ♪」


アヤメ専用の槍を作ると伝えると、アヤメは笑顔で「楽しみです」っとレンに伝えると自分も少し笑顔になったレンだった。



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