エピローグ

野菜生産で有名な高原。高度が高いとはいえ、夏はやはり暑い。

「おひるにしましょ〜っ!」

という呼びかけに、牛尾は答えた。

「今いきま〜す」

麦わら帽子をとり、首にかけたタオルで頭を拭きながら、みんなのところに向かう。

「あー、やれやれ、今日も暑いですね。んー、どっこいしょ」

と、牛尾が腰をおろす。と、広げた弁当を包んでいる新聞の一部見出しが目に飛び込んだ。

「安岩産業、会社更生法」

えっ?と、一瞬動きが止まる。ちょっとだけ目で記事を追う。

情報遺漏により、信頼失墜で業績が大きく傾いたらしい。

「牛尾くん、どうしたの?」

「あ、いえ、なんでもありません、ちょっと新聞記事が目に入って、文字を追っちゃいまして、、」もう自分が関係することはないし、興味もない。なにより、あの無能な彼らが仕切るんじゃ、まぁ泥舟みたいなもんだったしな。ただ、東山、寺原達の顔がうかんだ。あいつら、大丈夫かな。。。そんな思いを振り切るように

「では、いただきましょう」

と弁当に手を伸ばす。すぐに頭からは、その記事のことは消えていた。



   セキュリティ この世に完璧 無かれども

     お金と安心 それなりに比例

   でも

   金かけた最高級のインフラも

     運用側がしっかりしなけりゃ

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