いつの時代の都市伝説はどこからやってきたのだろうか?旧校舎の音楽室のピアノが夜更けに悲しげなメロディを奏でるとか、あったな〜と思い出した。アレも誰が言い出したのだろうか? 一番最初に聞いた噂は卒業する頃には尾ひれが付いて酷く恐ろしいものになっていた。今もあの噂は生きているのだろうか。この物語はそんなことを思い出させてくれた。そして少し背筋がぞくりとした。
今までにないパターンの物語なので読んでいて楽しかった。まず主人公が「都市伝説」を信じない。その主人公が、学校で広まった噂の発信源となった人物と対話する。主人公の、都市伝説を信じない徹底ぶりが清々しく、かえって怖い。(後半、よりもラストで「そうくるのか」と唸ってしまいました)