第2話 ご馳走
僕は宮永健志と言います。
12月31日生まれの、O型で高2です。
今、僕は列車の中にます。
隣の席には、女の子が座っています。
クラスメイトの、今野まやさんです。
駅前の本屋さんの帰り、無理やり引きずりこまれました。
お友達の女の子と、海に約束をしていたそうですが、
その身代りです・・・
「宮永くん、はいお弁当」
「ありがとう」
今野さんから渡された、駅弁を受け取る。
「こいらこそ、ありがとう。ごめんね」
「いいよ。気にしてないから・・・」
「本当?」
「うん」
「やっぱり、優しいね」
今野さんは、笑顔になる。
普通はクロスシートの列車に乗る場合は、女の子が窓際に座る。
でも、僕が窓際に座っている。
これは僕のわがままではなく、今野さんが、スピード恐怖症のためのようだ・・・
「ところで、誰と海に行く約束をしてたの?」
「真奈」
「真奈って、天真奈さん?」
「うん、よく知ってるね」
「天真奈は、おてんばと覚えている」
「名は体を表すだね」
「確かに」
その通り、天真奈さんはおてんばだ。
「私のフルネームは覚えている?」
「今野まやさんだよね。」
「正解、どうやって覚えているの?」
「今のままや」
今野さんに、つねられた・・・
「君の名前は、しゃれではないね」
「しゃれだよ」
「宮永健志くん・・・意味あるの?」
「宮沢賢治」
「なるほど・・・」
両親が宮沢賢治が好きなので、こう名付けられた・・・
こうして会話をしている間に、海へとついた・・・
何気ない会話が、一番のごちそうかもしれないな・・・
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