第21話 異世界人の商品
青柳くんが机のスイッチを押すと大きな台に4つの道具(?)のようなものと、大きな机が現れた。左から順番に説明する。
「これはハナセール。ここの吸盤を頭に貼り付けるだけで言いたいと思ったことだけを選んで、この機械から音声で出てくる。話せない人のために開発された。声は自分の記憶にある声から選べる」
青柳くんは頭に吸盤をつけ、僕の声が機械から流れてきた。僕の声で説明されると変な感じがする。
「これはアゲール。はめるだけで身体能力を上げる指輪だよ。これは介護用に開発された。若い女性でもこれをつければベットも片手で持てる」
僕に小さな銀色のリングをはめて見せてくれた。そして大きな机を指一本で持ち上げた。こんな指輪しただけで? すごいな!
「これは電気ガン。これを撃つと、電気の弾が出て大抵のものは貫通する。災害用に開発された」
青柳くんはさっきの大きな机に向かって撃つ。銃弾の痕が無い。なんかだんだん武器みたくなってきたぞ。怖い。
「これは
青柳くんはプラスチックの黒い10センチぐらいの棒のスイッチを入れた。すると、棒の先端が青く光り始めた。青柳くんはまたスイッチを押すと下から瓦10枚が出てきた。
「危ないから青い光で空気を見えるようにした。」
そう言って、瓦に空気刀を振り下ろした。
ーガッシャン!!!!!!!
綺麗に全てまっぷたつに割れた。
「これは土木作業用に開発された。空気刀以外のこれらの商品は極秘に売られているものだ」
青柳くんはドヤ顔をした。
「す、すごいです……」
僕はとりあえず褒めた。
空気だけの力でなんでも切れるなんて怖いよ。
最強の武器だよ。
「何で僕に見せてくれたんですか……?」
「同じ変わった事情を抱えるもの同士としてしてね」
「社長…お時間です!」
女性秘書の立体ホログラムが急に目の前に現れた。
「これで失礼します! 」
僕は気を使って帰ることにした。
「なんかあったらいつでも頼ってくれ。」
「ありがとうございます」
僕はドアを出ようとした。
「
女性秘書の立体ホログラムがそう言った。
今猿コンサルティング……如月? あの如月さん?
「あの……今から来るのって如月めぐさんですか?」
「そうだよ。知り合いか? 」
如月さんと知り合いになった経緯を説明するの面倒だな。
「高校の時
「あの中川海未さんか……同一人物とは知らなかったな。君との関係性は何かな? 」
「
最初からそういえば良かったな。
「ははは。心配しなくても、最初から如月さんにはお世話になってるからなんでも引き受けるよ! 」
最初はとんでもないスケコマシだと思っていたけど話をしてみるといいやつじゃん。
やはり転生前は僕と同じぱっとしないモテない童貞だったからな。
僕は青柳くんの会社を出た。
「権太。あのはなせえるとやらを、貰ってくればよかったのに」
「え? ハナセールってあの言いたいことが音声になる機械か? 何で? 」
「蔵子の声で『愛してる』って言って、その声を『
ん…『ハナセール』…『録音』
これを使えば蔵子さんの声が入った証拠のICレコーダーが作れるじゃないか!
よし、今すぐ警察に……
─プルルルルルルルルルルルルルルルルルルル
僕のスマホが鳴った。桂からだ。
電話 桂
『
電話 橘
『どうした? 』
電話 桂
『
電話 橘
『なんだって? よかったけどまたなんで急に? 』
電話 桂
『なんでも小豆沢課長の兄貴が『はなせる』みたいな機械を持って警察に行って調べたらICレコーダーは機械で作られた偽物だとわかり解放されたらしいです』
電話 橘
『蔵子さんのお兄さんも気づいていたんだな』
電話 桂
『橘先輩も気づいてたんすか?』
電話 橘
『今その機械を作ってる会社に行って社長と話ししてきたところだよ』
電話 桂
『社長と話すなんてすごいっすね!あそこの会社世界的に有名な会社でなかなか入れないんすよ』
電話 橘
『それがな聞いてくれよ!』
僕は高校の友達が転生神だったこと、同級生が異世界人だということを桂に話した。
電話 桂
『マジっすか!ラノベの世界じゃないっすか!まあ権蔵も異世界人ぽくないけど異世界人っすからね……他にいてもおかしくはないっすね』
電話 橘
『そうなんだよ! そういえば今蔵子さんはどうしてるの?』
電話 桂
『ああ、なんか女子会するらしいっすよ。
電話 橘
『解放されてすぐ女子会に? 珍しいメンバーで行くんだな』
電話 桂
『なんか小豆沢課長の犯人探しの件で仲良くなったみたいっすね。僕は真里ちゃんと一緒に住んでるんすけど、今日は外でご飯食べてこいと言われましたよ。今から
電話 橘
『おう。行くよ』
久々に婚活3人組で飲めるな。
蔵子さん……解放されてよかったなあ。
まあ、本当は僕がかっこよく助け出したかったけどまあいいか。
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