俺ガチャその2「この世界では剣は斬ることができない」
SSR
Q:なぜ少女は剣を飲み込むのか?
A:魔剣を飲むことでその力を腕に宿すことができるから
ここまではOKだ。
むしろ上出来だ。
でもまた次の“なぜ”がやってくる。
Q:なぜ魔剣で直接攻撃しないの?
なんでわざわざ飲み込むの?
それって効率悪くない?
そりゃそうだ。そうなるよ。
僕は考える。ガチャを回す。
あれでもないこれでもない。
回しては捨て続ける。
そして僕はここでスーパーレアを引き当てる。
A:この世界では剣が禁止されているから
このアイデアとの出会いは大きかった。
そして素晴らしかった。
小説を書く上で絶対必要な世界観に、くっきりとした輪郭をもたらしてくれたからだ。
剣の使えない世界。
だから彼女達は剣を飲み込むのだ。
アイデアとアイデアがぶつかり合い、まだ見えてこない物語に変化をもたらしてゆく。
まず決まったのが神様の存在だ。
ここは神様のいる世界だ。
間違いない。
その神様が、刃物の切る能力を禁じたのだ。
だから誰も剣を使えない。
きっとそれまでに長く戦争が続いたのだろう。きっとにたくさんの剣が作られ、たくさんの人が剣によって死んだのだろう。
神様はそれを嘆き悲しみ、一切の刃物の使用を出来なくしたのだ。
人々の生活は一変したに違いない。
剣士は廃業し、戦士は剣をハンマーに持ち替え、服は裂いた布で作られ、食肉はミンチが基本。薪は石で割り、そうして四半世紀も経つうちに、世界からほとんどの刃物が姿を消してしまう……。
なんて独創的なんだろう。
僕はドキドキした。
すごいじゃないか。
やっぱ俺ガチャという選択は正解だったのだ。
刃物のない世界で、拳で戦う少女達。
がっつりバトルものだ。
だが宣言通り、バトルものという設定は次のアイデアによってあっさりと覆されることになる。
次項では少しもったいぶって、覆される前の転がしについていくつか話したいと思う。
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