第1話 妊娠した……

妊娠に気付いた頃の話をしよう。


その前に、とても間が空いてしまったのには理由があって(言い訳とも言う。否、言い訳としか言わないだろうなぁ)、愛しの息子が伝い歩きまでするようになってしまった上に(早すぎる成長!)(更新現在、8ヶ月になったばかり)元々昼間寝ないタイプの子らしく、純粋に自分の時間がなかなか取れないからなのだ。末恐ろしい。もっと外で遊ばせた方がいいのでは?と思いつつ、夜泣きが怖くて開拓には及び腰である。以上。


妊娠に気付いたのは、普通に仕事をしていた7月末のある日のことだった。1週間ほど風邪を拗らせていて、鼻水はずるずる、喉も痛痒い、風邪薬飲みまくりな上に、県外に出ている妹の帰省に合わせて酒飲みまくり、煙草も吸いまくりと、妊娠とは程遠い生活をしている最中だった。月のものは一週間遅れていた。

先輩ママさんと談笑している際『黒巣さん、デキてる気がする!』と言われ、いやまさか!と笑いつつも、もしかするかもしれない……と思っていたのだった。

いやまさか、まさかと思いつつも、検索魔になる私。生理予定日より前の、微量の出血、生理痛のような倦怠感や腹痛、風邪のような症状、微熱などなど。調べれば調べるほど、デキてる?!と期待感は高まりつつも、いやまさか、ないない、とブレーキをかけるチキンっぷりであった。期待を裏切られると悲しくなるのは目に見えていたからである。よーしこのタバコ吸い終わったら検査薬しよ。と気合を入れて検査薬を買いそのままトイレに向かった(職場がドラッグストア故に、職場で検査できてしまうのであった)。


陽性。


人生初の2本線に正直、ドン引きした。うっわ、マジか。できてぇる。である(元ネタわかる人いるのかな?青猫です笑)。

素直に嬉しいというより、真っ先に、マジか、と思ったのだ。とりあえず夫氏に連絡を入れた。そこからじわじわと、うわー!嬉しい!やっとだ!である。と同時に、じゃあなんで微量の出血止まらないの?何を隠そう、ずっと極微量ではあるが出血していたのだ。今度は不安のあまり検索魔になっている間に、休憩時間は終わった(くどい様だが仕事中)。


そこから直ぐに病院に行く日を決め、病院ではしれっと心拍まで確認してもらえたのだが、宣告されたのは切迫流産。つまりこれが、私と切迫生活のスタートであった。のちに、出血があれば誰でも切迫と言われるし、大事がないことも多々あるとは聞いたものの、妊娠しているというのに出血があるというのはそれだけで、精神的にクるものがあった。


最初に病院に行った前後辺りのことである。私は夫氏に「大丈夫かなぁ」と弱音を吐いた。夫氏は無感情に「堕ろすの?」と言い、もちろんそんな気はなかった私は号泣した。


産めるのか。耐えれるのか。母になれるのか。生活は成り立つのか。その他、諸々。漠然とした不安感が拭えなかったのだ。同時にこの妊娠が継続できるものなのかどうかもまだ不確定で、けれど医師からは出来るだけ安静に、と言われていた。何もできることはないけれど、手持ち無沙汰であるというのは、良くない状況でしかない。日々、初期流産の確率や、初期流産の場合は遺伝子に原因があることなど、同じ記事を行ったり来たり検索した。誰にも相談できず苦しかった(こんな初期に誰彼構わず言いふらすものではないよね、という認識でしかなかった)。夫氏は、何もしなくていいから座っててねと言ってはくれていたが、その時私が欲しかったのは「大丈夫だよ」という言葉だったんだろうと思う(もし、大丈夫だよ。と言われていたとしても、何が大丈夫なんや!と言ってしまっていた気はする。妊婦の精神状態は非常に不安定なのだ(個人差アリ))。


そんな気持ちのまま仕事に行き、翌日腹痛とともに出血を確認。血の気がひいて泣きそうになりながら病院に行き、中の人の無事を確認したところで、私は号泣した。中の人の無事と、自分自身に母性(らしきもの)があったことの、二つの意味で安堵したからだ。

そして医師には診断書を書いてもらった。診断書を会社に提出し休職。長い長い引きこもり生活のスタートだった。

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