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嘘だ。
幸一は浮気をている。
香美代にばれていないと思っているが、幸一は会社の女子社員、四人と関係を持っている。
「浮気してない? 私が気付いていないとでも思ってるの? アナタ、LINEで会社の女と楽しそうにやり取りしてるじゃないの!」
香美代は幸一の浮気に気付いていた。
香美代は、こっそり幸一の携帯電話をチェックしていたのだ。
幸一の携帯電話には浮気の証拠がギッシリと詰まっていた。
「お前、俺のケータイ勝手に見たのかよ! プライバシーの侵害だぞ!」
「何がプライバシーよ! 私を裏切っておいて良く言うわよ! この、浮気男が!」
香美代は勢い良く人差し指を幸一に指し、もう片方の手を腰に当て、犯人はお前だ! のポーズを決める。
幸一は、首を振りながら浮気なんかしていないと繰り返す。
「ママ、浮気ってなぁに?」
萌子が、可愛らしく首を傾げて言う。
「もえちゃん、アナタはまだ浮気なんて言葉は知らなくて良いのよ。でも、そうね、あえて言うなら、この人の浮ついた気持ちのことよ。何もかもこの人の浮ついた気持ちが悪いのよ! 全部この人のせいなのよぉ!」
そう言って香美代は泣き出した。
萌子も泣き出す。
「ちょっ! 勘弁してくれよ! 浮気なんてしてないよ! 本当だよ! 泣くなよおい!」
幸一は浮気なんてしていないというスタンスを崩さない事に決めた様だ。
(全く、とんだ災難だよ! 本当に誰だよ、矢藤冨士江って)
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