僕、彼。

幾度とオーディションを受けその分落ちた。

当たり前だ。ど素人なのだ。

そんな途方に暮れてたなか1本の電話がかかった。

「先日のオーディション一次審査に合格しました。

二次審査につきましてのメールを送らせていただきます。

内容の方はそちらをご確認下さい。」

僕がお礼を言う隙間もないぐらい機械的だった。でも、相手はあのやや声の低い人だ。

もう切れたから言うが、あんなオーディションで何がわかったのかはわからない。正直に言えばもう少し暖かみがあっていいのではないだろうか。

というのを思いつつとても嬉しかった。

後日メールが送られてきた。

そこには、

男が死んだ彼女を見て泣く演技を見せてもらいます。

日時、時間、会場が書いてあった。


出来るわけがない。

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