生い立ち

 千葉県の千葉市若葉区で僕は生まれた。

 一人っ子であったのもあり、小さい頃から大事に育てられたと思う。

 生まれ育った街は都会とは言い難いが、マックもスタバもあったしそれなりに不自由はなかった。

 友達にも恵まれ、仲いい奴とは大学生の今でもよくご飯に行くもんだ。

 そう何不自由ない。

 このことがまた僕は平凡になったのだ。

 高校生のとき、ふとテレビをつければ偉そうに語る人ばかりで、いい気がしない。思春期だからとかそんことじゃなく、Twitterとかでもたまによく見る。

 その世界に興味を持った時だった。

 自分だったら何ができるだろうか。

 不意をつかれたように考え始めたが何も浮かばない。現実は案外厳しいもので、平和に生きるからこそ、これといったものをみうしなうのだ。

「役者になろう。」

 唐突にそれが浮かんだ。

 何にもなれないなら何かになろうとしたのだと思う。今思い返しても、我ながらとても理屈の通ってる話ではないのは確か。けど、それしか思い浮かばなかったのだ。

 そう思ってからは早かった。

 役者などの輩出が多い大学を見つけた。大卒の認定は欲しいから。

 失敗してもリカバリーができるように。それが平凡の心得なのだ。

 高校の時はその目標以外見えなくて、がむしゃらに勉強をした。その甲斐あってか、大学にも合格し、一人暮らしのスタートと役者人生のスタート。

 そんな春が今現在に至る。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る