はじめて

転ぶ

第1話初恋

わたしは、高校生になって初恋をあきらめた。


あいつが現れるまで。


中学生の時に好きだった彼は転校してしまった。


片想いだった…。



わたしは、周りに天使と呼ばれていた。


本当は腹黒くて狡猾な女だ。


高校生になったわたしは脱け殻だった。


好きだった彼を思い出すと教室の景色が薄っぺらく感じた。


「おい、堕天使、何、ボーッとしてんだよ?」


この声の主は幼なじみの高橋良介。


「うるさいな!」


「こわ、声かけただけじゃんよ。」


良介は、わたしが恋破れた事を知っていた。



高校生になって何人かに告白されたが黒沢姫、わたしは断った。


しかし、姫は、初めて良介のバスケットをしている姿を見て何故かドキドキした。


学校の帰り道でわたしは交通事故に遭いそうになったところを良介に助けられた。


しかし、良介は両足をトラックに轢かれたて下半身麻痺になってしまった。



入院してる良介をお見舞いに行くと良介の親族から文句を言われると思っていたが


「姫ちゃんが助かって良かったわ。」


と言ってくれた。


わたしは、良介の手を強く握って「ごめんなさい!」と言って泣いた。


「泣くなよ。堕天使。」


と良介は涙を流して呟いた。



「これからは、わたしが良介の足になる。」


良く考えると良介はいつもそばにいてくれた。


高校卒業と共に姫と良介は、付き合い始めた。


良介は、姫の初めての恋人になった。


「良介、好きです。」


「俺も、姫が好きだけど、この足じゃあ、お前を幸せに出来ない。」


「バカ!わたしが、良介の足になるって言ったでしょう!」


良介は、車イスバスケを始めた。


姫は、介護福祉士の資格を取って献身的に良介を支えた。


二人は初めてを怖れずに強く生きた。

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はじめて 転ぶ @Ken123

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