第8話 意外な趣味

由梨に切符を渡される。

金額を見ると、割と近場だな・・・


でも確か、JRの大型ターミナル駅までじゃ・・・


「由梨」

「何?」

「もしかして、新幹線に乗るの?」

「乗らないよ。在来線」

「そっか・・・」

新幹線だと、簡単に行き先が分かるな・・・


「ミステリーとレインみたいで、面白い」

そういう意味もあったのか・・・


電車に乗った・・・

(221系か・・・)


「何か言った?忠志くん」

「いや、何も・・・」

「確か、(221系か・・・)そう言ったよね」

「・・・うん・・・」

「もしかして、鉄道オタク?」

「そこまで行かない。鉄道好きと言ったところ」

「そっか・・・残念」

鉄道オタクなのか?由梨は?


「じゃあ、これは分かる」

由梨は写真を見せてきた。

たくさんあるな・・・撮り鉄なのか・・・


「223系2500番台」


これは?

「281系はるか」


これは?

「681系サンダーバード」


これは?

「323系」


これは?

「321系・・・って、もうやめよう。きりがない」


「何だ盛り上がってきたのに、がっかり」

(盛り上がってたのか?)


「それにしても、由梨、地元の車両ばかりだね・・・」

「あんまり、遠出はできないからね。」


話していると、時間はすぐに経つ・・・

「あっ。着いた・・・忠志くん乗り換えよ」


この駅は、新幹線と在来線が乗り入れている。

切符を買い替え、由梨に案内されたホームへと行く。


これから、乗車する列車が入ってきた・・・

オーシャンブルーと白の車両・・・


(283系・・・行き先は、白浜か・・・)




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