第3話 きっかけ

通常、学校には席変えがある。

高校も例外ではない。


その日も、席変えの日だった。


僕はいつも、一番後の窓際を望んでいる。

目立たないからだ・・・


しかし、僕はあまり視力が良くない。

メガネが無いと、一番前の席でも、黒板が見えない。


そのために、気を使ってくれてるのか、前の方にされてしまう・・・


そして、一番前の窓際になった・・・

そして、その時に隣の席になったのが、彼女・・・

春日由梨さんだった・・・


僕はあまり、人と話すのは好きではない。

なので、自分から人に声を掛けるのは殆どない・・・


気を使って、声を掛けてくれる人が、希にいるが、

それに、受け答えする程度だった・・・


春日さんも、そのうちの一人だった・・・


僕は絵を描くのが好きだ。

絵といっても、絵画ではなく、いわゆるイラスト・・

ペンを握れば、ノートに走り描きをしてしまう・・・


その日も、いつものように、絵を描いていた。

普段はみんな、僕には興味を示さない。

それが、好都合だった・・・


そんな時、春日さんが声を掛けてきた。

僕からノートを取り上げて、一ページ、一ページ、丁寧にみていた。

取り上げようろする。

「まだ、途中」と、返してくれない。


見終わった後、春日さんは一言述べた・・・

「君の絵は、ものすごく純粋な絵だね・・・でも・・・」


でも・・・が、気になった・・・

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