11/17 ローマ バチカン市国


夜中、暴走族めいた音を立てた車両が走っていく。

続いてサイレンが鳴る。パトカーのようだ。

ここでもパトカーと暴走族がイタチごっこをしているのか?


朝食はビュッフェ。

食堂へ行き、まずは従業員さんたちとあいさつを交わす。


Buon giorno.(おはよう)


日本と違い、従業員さんのあいさつを無視してはならない。

ここヨーロッパでは、「お客さまは神様」などという考えは通じないのだ。


席に着くと、食事の前にコーヒーを注文。

筆者はカプチーノを撰択。

以後、ローマにおいては一日の始まりはカプチーノが定番となった。


コーヒーを持ってきてくれたらGrazie.(ありがとう)。

無言で受け取ってはならない。


食事内容はドイツとだいたい同じ。

高タンパク高脂質。だがフルーツもある。

パンの種類が豊富で、ロールパンなど柔らかいパンもあった。

ドイツでは固いライ麦パンばかりで顎が疲れていたので嬉しい。


午前9時。ホテルを出て街へ。

メトロは大混雑していた。通勤ラッシュ時の東京並みだ。

とても一回では乗り切れないので、何本か待ってようやく列車に乗り込む。

財布をスられないよう必死でガードをしているうちに車内はグングン空いてくる。

五駅も進めば、座席に座れるくらいになってしまった。



***バチカン市国***



ローマ市内にあるとはいえ歴とした国なので、今回は三カ国の旅ということになる。

まず、人が多い。おそらく大半が観光客。

あとは教会関係者や警察や衛兵。

店も多い。見るからに観光客向けのレストランやお土産店が多い。


観光案内を生業とするお兄さんが多数いた。

お兄さんたちが持つプラカードのような物には、それぞれの得意言語が国旗と共に記されていた。

フランス語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、ロシア語。

ニポンゴはなかった。


バチカンには、どこからでも入れるわけではなく、観光客は広場の方からでないと入れないようだ。

国境は胸の高さくらいのフェンスで入国審査もなし。

普通に公園に入るくらいの感覚で入れる。


とはいえ、警官や衛兵が多数配置されているので緊張する。

例によって衛兵はアサルトライフルを所持。

当然、観光客だらけの人混みでそんなものは撃てないからハッタリだ。

しかし、これまた当然、そんなことは衛兵側も承知しているだろうから、すぐに格闘戦に移行できるよう訓練されているだろう。

なんにしても、目をつけられないよう注意することに変わりはない。


サンピエトロ大聖堂前は長蛇の列。

入る気はないので関係ない。

繰り返しになるが、教祖の教えと真逆のことをやっているとしか思えない荘厳な建物に興味はない。(ではなぜ来た?)

他に見るべきものもないので、写真を一枚だけ撮って早々に出国した。



***イタリア***



スペイン広場に行った。

東洋人が結婚式を上げていた。

運動がてらスペイン階段を登ってみた。

上からの景色は悪くなかった。


コロッセオに行った。

武道家としての血が騒いだのか少し入ってみたくなったが、とんでもなく混雑していたのでやめた。こんな巨大なものを作った古代人はすごいと思った。


国立図書館と大学都市には入ることができなかった。残念。

大学沿いに露天が並んでおり、多くの人で賑わっていた。

学校祭かと思ったが、それなら敷地内でやるだろうし、店員さんも若くない。

ちょっと不思議な光景だった。


ローマ三越はコンビニ程度の売り場面積のフロアが二つと、とても小さかった。

しかし、さすが日本のデパート。

トイレは無料、ミネラルウォーター無料、無料WiFiありとサービスが充実。

日本の新聞もあった。


スペイン階段を登った先の丘にあるボルゲーゼ公園に行った。

街中に比べれば人が少なく、多少は和める。

丘の上からの眺めは壮大だった。

やはり筆者は定番の観光地より、こういう公園とかの方が好きである。


夜、スーパーでパックのsushiを買って食べた(またか!)。

シャリが極限まで圧縮されていて妙な食感だったが一応sushiだった。


ローマ中心地の様子はだいたい分かった(生意気)。

観光地巡りはこの辺にして、明日は郊外へ行こう。

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