11/16 ベルリン→ローマ


朝から晴れ。

また昨日のうちにスーパーで買っておいたパンで朝食を済ませ、午前9時にはホテルを経つ。チェックアウトの際、また謎の税金を請求された。

今度は45ユーロ。


ベルリン中央駅からバスでテーゲル空港へ。

乗車券の買い方と乗り場が分かりづらく少々手間取った。

空港でのチェックインにも出国審査にも時間がかかった。

例のごとく荷物を預けるのに45ユーロ。

重量はほとんど変わってないはずだが値段が違う。

航空会社によって違うのか……?

2年前の旅では荷物代が航空チケット代に含まれていたので思わぬ出費となって痛い。

世界は少しずつ変わっている。


まだ時間があるのでテーゲル空港を回ってみる。

特に真新しいものはないが、見たことのないところを見て回るのはそれだけで楽しいものだ。

小さなカフェで紅茶を頂く。

店員さんが東洋人だった。まだ若い。留学生だろうか?

「すみません」と声をかけてみたが通じなかった。

日本人ではないようだ。


アリタリア航空の飛行機に搭乗。

アナウンスは早速イタリア語。

今のうちのあいさつくらいは聞き取れるようにしておこう。


初めて飛行機で窓際の席に座った。

国内も含めればすでに20回くらいは乗っているのに、今頃になって初めてだった。

離陸から十秒ほどで雲の中に入ってしまったが、良い景色を見られた。

ウイングが見えるので機体の向きが分かりやすい。

雲の上の景色も堪能できる。

雲が途切れ、地上がうっすら見えることもあった。

オーストリアの広大な雪山景色を見ることができた。

高度1万メートルともなると、地球の丸みをわずかながら確認できたような気がした(気のせい?)。

山々の次は広大な平野を見ることができた。すごい眺めだ。

しばらくすると、これまた広大なアドリア海が見えてきた。

めったに見られるものではない。今のうちの堪能しておこう。

最後に高度が下がってきたところで広大なティレニア海を堪能させてもらった。

綺麗なスカイブルーの海だった。



***イタリア***



「フィウミチーノ空港」

別名レオナルド・ダ・ヴィンチ空港。

新しくて立派な空港だ。

しかし、荷物が重いので見学は後。

まずはローマの中心地であるテルミニ駅に向かう。

列車の乗車券は自動券売機で買える。買い方は予習しておいたし、英語の表示もあるので迷うことはないはず。ほとんどドイツと同じなので心配ない。


と、思っていたのに――


ちょうど数分後に発車する列車であって、それを逃すと30分以上後になってしまうので、つい慌ててしまった。ガイドブックで念入りに確認しながら買うつもりが、記憶した知識のみで買うことに。

決して複雑な手順ではないので、間違いはないはずだが、やはり初めて来た土地では不安にもなる。

もしかして間違ってない? 

もし間違ってたら罰金払わされる?


高速で走る列車内で外の景色を見ながらビクビクしているうちに、検札の人がやって来る。

チケットを見せたところ――問題なし。

よかった。危なかった。

やっぱり慌てちゃダメだね。


「ローマ」

テルミニ駅はとても混雑していた。

東京と比べても遜色ないくらいかもしれない。

旅行者や移民者と思われる人間も多い。警官も多い。

下手にキョロキョロすると不審者にも警官にも狙われそうだ。

なるべく堂々と歩いた方がいい。

とにかく、荷物があっては自由に動けないので、まずはホテルへ。

大きな荷物を引きずって知らない土地を長々と歩くのは危険かつ疲れるので、駅を出て30m足らずのところを予約してある。


「ジョベルティー アート ホテル」

今度は中級ホテル。

でも、部屋は広くて綺麗。値段の割には高級っぽい。

ミネラルウォーターのサービスなし。(寒くないここでこそほしかった)

コーヒー・紅茶なし。

バスローブなし。スリッパなし。歯ブラシなし。

ドライヤーあり。拡大鏡あり。無料の金庫あり。

防音性は低く、外の騒ぎで耳栓なしでは眠れない。


しかし、バスタブがあるところは良い。久々に湯に浸かることができる。

朝食付きなのも良い。

照明はやはり薄暗い。ヨーロッパではこれが標準なのか。

WiFiが頻繁に切断され、そのたびに接続しなければならないのが面倒だった。


まだ時間があるので外へ出てみる。

まずは当面の拠点となるテルミニ駅構内を散策。

レストラン、カフェ、ファストフード店、書店、スーパーマーケット、ブランド店、コンビニみたいな店と、店の種類も雰囲気もだいたいドイツと同じだ。

しかし、国が違えば勝手も違うだろうから、どうしても気後れしてしまう。

実際、カフェのカウンターでは、忙しそうに動き回る店員さんに対し、ちょっと強引に声をかけていかないと相手にされないこともあった。

しかし、いざ話してみるとドイツや北欧より英語が聞き取りやすい。

また、こちらのつたない英語も伝わりやすい。

もちろん、一週間の滞在によって筆者の英語力が少なからず上がったというのもあるだろうが、つい数時間前までいたベルリンより伝わりやすいのだから、何らかの違いがあることは確かだろう。


駅地下のスーパーマーケットに行ってみた。(またスーパーか!)

でも観光者向けではない、現地の食を知るためには重要。

かなり安い値段で水が買える(30セント)。

パックのsushiも売っていた。

物価はドイツより若干安い。


駅構内にはアサルトライフルを持った衛兵がいた。

さすがに駅中で撃つことはそうそうないと思うが、疑われるような行動もちろん、なるべく視界に入らない方がよさそうだ。

しかし、あの混雑した場所でアサルトライフルは明らかにミスチョイスだと思うのだが…。様々な国の人が行き交うあの場所でそんなものを乱射すれば、国際問題どころではなくなる。どう考えても威嚇にしか使えない。


セルフレストランはドイツと違い自分で皿によそう方式ではなく注文式。

自分で量の調節ができないので使いづらそうだ。


テルミニ駅の本屋は地下一階から二階まで三層あって大きい。

日本語の本やMANGAもあった。


広い駅をぐるっと一周したあと、外に出る。

気候は日本と同じなので、秋真っ盛り(そんな表現はない?)。

しかも晴天。

さっきまでぶるぶる震えていたのが嘘みたいに快適だ。

でも夕方になると少し冷えてくるので油断大敵。


テルミニ駅周辺は多くの店があり、賑わっていた。

露店もたくさんあった。建物は遺跡のように古いものが多い。


喫煙マナーはドイツとだいたい同じだ。

つまり路上がひどい。これでは街を歩くのも一苦労だ。


横断歩道を渡るにはタイミングよく強引に行かなければならず怖い。

単独で行くより誰かに続いて行く方が多少安全。


日本人が多い。日本語がよく聞こえてくる。

イスラム系も東南アジア系も中国系も多い。

あらゆる人種が行き交っている。


駅で券売機の使い方を学習していたところ、見知らぬ老婆が声をかけてきた。チケットの買い方を教えようとしていたようだが、明らかにチップ目的だったので早々に離脱した。


夜。夕食時。

トルコ系の店員さんが経営するファストフードレストランに入ってみた。

ピザやパスタなどのイタリアンが中心の店だ。

注文の仕方や支払い方など何も分からなかったが、とにかく突撃してみた。

多少不安だったが、なんとか上手くいった。

ドライカレーを食べてみた。

少々油っぽかったが野菜がたくさん入っていておいしかった。

支払いの方法なども分かったので、また行ってみようと思う。


ホテルに戻ると、ロビーの従業員さんがあいさつをしてくれたのに、うまく返すことができなかった。イタリア語のあいさつは一通り覚えてきたが、視界外から突然されると聞き取れない。悔しい。


初めて来た国だけに、着いて数時間で初めての出来事の連続だ。

まだまだ解明しなければならないことは多い。

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