夏ノ幕
始ノ文
一九六八年前、日ノ本に『鬼』が現れた。
抗う術なき人類は息を潜め、ひっそりと暮らすようになり、〈死した暦〉と云われる時代が訪れた。
そうして千年の時が経とうかという頃、『鬼』を屠る者が現れた。
始まりの者、漆黒の太刀を振るい、如何なる『鬼』をも斬り屠り。
二の者、金棒を用い打ち暴れる様は嵐の如く。
三の者、蝶のように美しく、気高き魂で『鬼』を穿つ。
この三人の『鬼斬り』の出現に、人類は希望を見たのである――
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