AR-381 ブレイズ

AR-381 ブレイズ


  口径:38.1mm

 銃身長:3,750mm

使用弾薬:38.1x250mm

 装弾数:1,200発

発射速度:600/min

有効射程:4,000m



 概要


 "NMG-30 ストライカー"の威力不足を懸念したヴァイスが、追加で作らせた兵装。

 外見はサブマシンガンに似ているが、ヴァイス曰く「騎士リッター達にとっては“アサルトライフル”同然」だという。

 両手でコントロールすることを念頭に置いているが、ヴァイスは「盾に据え付けて機銃か砲台にしようかしら」と考えている。更なる改良が予想される。



 実演


「今度はこいつかよ!?」

 眼前に用意された武器を見た龍野は、盛大に呆れた。

「まーた反動で全身ブルブルさせられんだろ、もう!」

「そうね、間違っていないわ。"ストライカー"の時はごめんなさいね、龍野君」

 悪びれもせず、ヴァイスは龍野に告げる。

「今回はこの武器を試射してもらうのだけれど、条件を特殊なものに設定したわ」

「特殊って……まさか、この盾のことか?」

「ええ。詳細はテストを進行させながら伝えるから、まず“片手で単射して”」

 ヴァイスの指示を聞き届けた龍野は、300m先の標的を視界に捉える。そして『標的の中心に、機体が片手で銃を発射する状態』をイメージした。

「ぐッ!」

 強烈な反動が、龍野の全身を震わせた。

「あら、ごめんなさいね龍野君。けれど、これで『片手では扱えない』ということが分かったでしょう?」

「ああ、1発で思い知らされたぜ」

 口径が8.7mm増えただけで(実際は装薬の量の問題でもあるのだが)、ここまで反動が強烈になった事実を、龍野は驚愕しながらも認識しつつあった。

「そういうわけだから、一旦盾を地面に突き立てて。それから“両手で保持し、合図があるまで連射して”」

「あいよ」

 言われた通りにイメージを浮かべ、引き金が引かれる。

(今度は大した反動じゃねえな)

 龍野が感想を抱くと、ヴァイスから「やめ!」と指示が飛んだ。

(残弾数は『1079』か)

 連射速度の遅さに(十分速い部類だが、前の2種類と比較すればその通りである)安堵あんどする龍野。

 実際、一歩間違えれば速すぎる連射速度によって暴れ馬と化す"MG-300 ストライカー"と"NMG-300 ストライカー改"だ。

 『両手で保持する』という制限はあるものの、コントロールのしやすさではこちらも負けていなかった。

「ここまではいいわね、龍野君。では次の指示を出すわ。“盾を持ち上げて横向きにし、銃身の下部かぶに接触させて撃つ”。出来るわね?」

「ああ。“盾を持ち上げて……」

 龍野はヴァイスからの指示を反芻はんすうしながら、指示通りの動きを一つ一つこなしていく。

「こうか?」

 縦に長い大盾が、持ち上げられて90度傾けられている。端の一部分と銃の下部とが、ぴったりくっついていた。

「そうよ。流石の吞み込みの早さね、龍野君。では、そのまま射撃して」

 龍野は先ほどのイメージを再び浮かべ、機体に引き金を引かせた。

「ッ!(けど、耐えられるな。まあ比較的軽いもんだ)」

『龍野君、撃ちながら聞いて。今回は「弾切れを起こす」まで射撃してもらうわ』

『はぁ!? まあ、やってやるよ! その代わり、ここをブッ壊しても責任取んねえからな!』

 その後、1分以上も射撃を続けた。


「やっと、弾切れか……」

 表示された数字が『0000』になったのを確認した龍野。

「さて、龍野君」

「何だ?」

 射撃中止を確認したヴァイスから、質問が飛んできた。

「撃ちやすかったかしら?」

「ああ。ただ、“両手で保持する”か“盾で支えたとき”に限るけどな」


「わかったわ、ありがとう。となると……採用の見込みあり、ね」


 その後、本銃は反動軽減の調節を受けたのち、格納されたそうな。

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