第22話 不思議な人達2

「……………おはよう」


__________そういったのは、トラベレイター。

彼女いや、蛇ノ眼由岐じゃのめゆきの仲間であり、同居人でもある。

「……………誰かいる、……………麻?」

「おう、おはよう。間違ってないぞ」

麻がそういうのを、トラベレイターはじぃっと見つめている。半分眠そうな目ではあるが、また半分はその視界に麻を映していた。

「……………なんでここに?」

「このアパートの住人と挨拶でもしたら良いんじゃないかっていう話だ。由岐は来る」

トラベレイターはゆっくりと首を横に振る。

「やっぱりそうだよな。トラベレイターは」

由岐がトラべレイターの方に顔を向けながら言った。

麻もそうだよなと納得したように腕を組む。

「じゃあ、トラベレイターは留守番で由岐とオレでちょっと挨拶に行ってくることにするか。無理して強制する意味もないしな」

麻はそういうと、部屋を出ていこうとする。しかし、その前に由岐に阻まれた。

「おさつチップス、もちろんオレにくれるんだよな?」

「当たり前だろ?配達員がすっごい驚いてたんだからな」

麻は少しニヤけてそういうと、今度こそ部屋から出る。すぐに、トラベレイターが由岐に話しかける。

「……………ジャノメ、……少し、……おさつチップス分けて」

「当たり前だろ?誰も一人で食べるなんて言ってないからな」

そう言って由岐は少し微笑んだ。

トラベレイターも少しだけ、頬が緩んだ。


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