第20話 不思議な留学生+おまけ
「お久しぶりです」
そう言って入ってきたのは、厚い茶色のジャケットに身を包み大きなリュックとカバンを持った金髪の女性。
名前は、
「バル子ちゃん!ひっさしぶりー!」
そう言ってバル子ちゃんに飛びついたのは司。司ちゃんとバル子ちゃんは確か先輩後輩で仲が良かったと思うけど…。
「司ちゃん久しぶり、こんな賑やかさ本当に久しぶりだよ」
「え、ロシアで留学してたときはこんな感じじゃなかったの?」
「うーん、みんなが想像しているような感じじゃないかもなー、どちらかといえば排他的かもしれない」
ロシアか。どう考えてもこの時期すんごく寒そうだよね。あんな厚手のコート着てても違和感は全然なさそうだ。
「おねーさんは、だれなの?」
と、そんな事を考えているとモスカちゃんがバル子ちゃんに質問をしていた。
無理もない。バル子ちゃんは二年前からロシアで留学をしていた。
少し前の秋頃に入ってきたモスカちゃんにとっては見知らぬ人なのだ。
「私は、バル子。ロシアっていう北の方の国に今までいたんだ。君は?」
「わたしはモスカ!寧さんのおうちにくらしてるんだよ!」
モスカちゃんはにっこり笑顔で言う。他の人達はそれを温かい目線で見守っていた。
「そっか、じゃあ、モスカちゃんにプレゼントあげるね」
そう言ってバル子はかばんからチョコレートを取り出した。
「はいこれ。寧ちゃんと一緒に食べてね」
「ありがとう!バル子おねぇちゃん!」
モスカはそう言うと私の方に歩いてきて、チョコレートを差し出して
「食べよ!」
と言ってくれた。
バル子は同じようにアパートの住人分お土産を買ってきたようで、今私の部屋にいる住人にお土産を配っていっていた。
中でも不思議なお土産だったのはロシア語プリントの入ったTシャツ。
誰にあげるものかはひと目でわかったというか、この人しかないって感じだったんだけど。
明月くんがすごい喜んでた。
あとは、麻さんくらいだろうか。すっごいアルコール濃度の強い酒をもらってたけれど…。
「それにしても、モスカちゃんの他にもこのアパートって住人増えているんですか?」
「どうだろう、希望ちゃんとかみかんちゃんとかかな…?」
バル子ちゃんはいっぱいいるー!とか言いながら自分の部屋に戻っていった。
このアパートには、たしかに人も多い。しかし、個性が強すぎて多さで言えばすでにとてもじゃないけどたくさんいるような気がしなくもない。
それは、このアパートに来るみんながはじめはそう思っただろう。
けど、いつの日か自然と溶け込んでいる。自分がその中の一部になっている。
そんなアパートなのだ。
【おまけ】
二十話になったので作者がオリジナルキャラクターと対談してみようということ。
「今回のゲストは、まあ、自分のオリキャラなんですけど夏樹みかんちゃんにお越しいただきました!」
「よろしくおねがいします」
「好評だったらこれから続けていこうと思うんですけど、みかんちゃんはどう思う?」
「これ以上犠牲者は増えてほしくないかな」
「あれ、そんな感じのキャラクターだったっけか。まあいいや、それじゃあみかんちゃんのことをいくつか質問していきたいと思います!」
「作者なんだから自分の文章でやったほうがいいのでは…?」
「文章力あったらこんな企画やってないです!それじゃあ質問、みかんちゃんはなんでこのアパートに来たの?」
「もともとはかなりの田舎の方に住んでいたんですけど、都会の方の学校に受かったので…って感じかな。都会の方って物価が高いからせめてアパートの値段くらいは安く済ませようと」
「わざとどこの都会なのかは伏せてますけど、家賃は一部屋光熱費込で数万円からだそうです」
「それ特定できそうで全く特定できないですよね」
「そうね。じゃあ次の質問!みかんちゃんはこのアパートに来る前はどこに住んでいたの?」
「実家ぐらしでした。高校までは地元の高校行って家がみかん農家なのでお仕事手伝って…って感じでしたけど、大学だけはちょっとランク上を目指そうと思って」
「ちなみに大学はえりちゃんと同じ大学、大学は違うけど司ちゃん、ふみちゃんとは同学年っていう感じだよ」
「設定凝ってますけど、大学回がほとんどないんですよね」
「アパートだけで十分な濃さだからね。じゃあ次の質問、家事などはどの程度まで自分でやっていますか?また、どんな感じでやっていますか?」
「家事は一応全般的にやっていますけど…。週に数日はお料理をどこかで食べてくる時もありますね。お掃除は週に一回やってる感じで、お洗濯は毎日回してます」
「家庭的な感じだねー。そういうところ女子力高くていいと思う」
「まあ、作者さんが作ったオリジナルキャラクターなのでそりゃ、作者さんの好きな感じになると思いますけど…」
「じゃあ、この質問でシメます!この小説、どんな感じですか?」
「すっごい広いかんじの質問ですね…。けど、最近オチがうまくいってないような気がするのが微妙かな…、キャラクターたちはみんな個性が立っていていいと思います」
「そんな感じですか、まあ意見と捉えてがんばります!」
「わかりました」
「それではこのコーナーに出たいって方はコメントなりTwitterなりでどうぞ!」
「すごい稼ぎ方しようとしますね」
「この小説のキャラクターだってそうやって応募したんですもん」
「まあ…ね」
「じゃあまたお会いしましょう!」
「ばいばい!」
「それじゃあまた!」
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