第15話 不思議な先輩
明日、一緒にショッピングモールに行きませんか?(*^▽^*)
一日中暇なので、お洋服屋さんや、スイーツのお店に一緒に行けたらなーなんておもてます!!!!!
よければぜひ、返信ください!待ってるよ(^_^)v
______________
昨日、こうやって天野碧からメールが来た。
私は二つ返事で了解し、明日の予定はショッピングモールへ行くことに決まった。
「うーん、服装どうしよう?」
少し不安になったのは、自分の服装。
都会の人と比べれば、まだ田舎者だと思われてしまうかもしれない……。
そもそも、ショッピングモールが都会にあったら都会ファッションで田舎から都会に上がることが不可能なこのシステムにも疑問を感じるけど……。
とりあえず、クローゼットにあるものを見定め、できるだけ自分に似合うものを選んだ。
紺のロングスカートに、温かい茶色と白の肩出し服。淡めのポンチョとかばん。
これなら、都会にも自分にも似合うからおそらく大丈夫であろう。
そうだ、髪の毛もしっかりといておこう。
それから少しして、碧との集合場所であるアパート前へ出る。
時間は十時三十分。ちょうどいいタイミングだと思う。
碧は少しして、
「ごめんふみちゃん!待った!?」
と言いながら一目散に走ってきてくれた。
慌てて支度したのだろうか。髪はまだ少し乱れていたし、それに上着もしっかりしまっていなかった。
上着の下には、例と書かれたTシャツがあったが、それはいつものことだからおいておくとして……。
高校生だからか特にしっかりと服装はしていないみたいで、ジャンパーとジーパンというあまりいつもと変わらない服装だった。
「まあ、とりあえず落ち着いて服を整えて、それからで大丈夫だよ」
私がそう言うと、碧はゆっくりと一つ一つ、丁寧に服のチェックをする。
「よーし、準備万端!」
彼女はそう言うと、私に目配せをする。そして、
「レッツゴー!」
と言って歩き始めた。
目的地は最寄りの駅。しかし、あのアパートは駅から歩いて十分程度という高立地なのに人があまり集まらない。まあ、おそらくあそこに住んでいる人が特徴的だからだと思うけど。
最寄り駅からアパートまでは電車で十分程度。
往復四十分でショッピングモールがあるのだから、ここは都会だな―とか思いつつも、そんな物思いはモールに入った途端に消し飛ばされてしまった。
たくさんの服、美味しそうな料理の売店、きれいな時計や宝石などなど…
ショッピングモールというのはお宝の巣窟であると言っても過言ではないかもしれない。
こんなにたくさんのものがありながら、どれか一つを選ぼうなんてすごく難しいよね……
と、思っていたら碧は予想外のものを一発目に買ってきた。
「カニチップス、いる?」
私は非常に困惑したのであった。
なぜカニチップスなのか、それはおいておくとして、ここで食べるのはマズいんじゃないだろうか。カニチップスは美味しいけど。
「だったら、フードコートに行かない?」
となんとか機転を利かせたため、私達はフードコートへ直行した。
まあ、こんな日もあるよね……。
と、たまに自分を落ち着かせながら
席に座ったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます