第6話 不思議なコンビニ
「いらっしゃいませー」
明るい笑顔が今日もゆく。というのは、このコンビニのキャッチコピーみたいなもので、バイト、社員はいつも笑顔で働いている。
このコンビニはアパートから歩いて5分圏内にある唯一のコンビニで、アパート住人にとってはとても便利なコンビニとして重宝されている。
「お、フレス今日もバイトか」
そう言って入ってきたのは小山明月。年齢は自分と同じ18歳で、やんちゃなところも似ている。
「それで、今日もバイクできたの?」
「ああ、風が心地いいよ」
アパートから徒歩5分って説明の通りだと、バイクで来る必無いんだけどね。
まあ、いいんだけどさ。
「それで、とりあえずこれと31番」
そう言って明月がだしたのは、カップアイス。
31番は煙草の銘柄だ。
しかしここでレジが苦言を呈す。
「年齢証明をおねがいします」
まあ、そうなるよね。
「麻のに決まってるじゃん!」
「それはわかるけど、一応法律で」
「法律は無視するものだ!」
「だろうね」
そう言って自分は確認を押す。そもそも、ここでグダっていても意味がない。
「ご会計718円になります」
「うえ?そんなお金ない」
「いくらあるの?」
「300円」
「すくなっ」
「いや、アイスなんてせいぜい100円じゃん」
「たばこは600円だけど」
「高すぎ、じゃあたばこはいいや」
「それでは会計120円になります」
そういって、明月がだしたのは200円。
「80円のお釣りになります」
計算が楽でいいな。金貨銀貨銅貨の概念がなくて。
「じゃあ、またくるわ!」
そう言って明月は店を出ていく。
「フレスくーん、そろそろ上がっていいよ」
「ありがとうございます」
今日もバイト終わり。さっさと帰ろうと思ったが、たばこが目についた。
「…買うか」
さっさとたばこのお金をレジに入れると、たばこをポケットに忍び込ませて裏口から店を出た。
麻の反応が楽しみだ。
_________
たばこは二十歳になってから。
マナーを守って楽しく喫煙。
だってさ。
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