第4話 不思議なヤンキー
「新入りというか…、引っ越してきた夏樹みかんです。宜しくおねがいします」
「オレは小山明月。麻とは10年来の付き合いで、もはや兄弟だよ」
麻さんと10年付き合うと個性が生まれるのかしら。というか、右目の包帯はなんだろうか?
「あの、右目の…」
「ああ、これはわざとだよ。こうやって封印しておかないと隠されし力が解き放たれてしまう」
「隠されし…力!?」
「そうッ!その能力こそッッ…千里眼!!」
「まあ、間違っちゃいねーけどただ単に目がいいだけだ」
「麻、邪魔をするな!」
明月はそう言うが、麻が
「おまえ、アイス買いに行くんじゃなかったのか?」
と諭すと、「そうじゃーん」と言って駐輪場へ向かった。
手慣れてるなこの人。
少しするとバイクのけたましいおとがする。見ると明月はバイクに乗っていた。
「そうだ、明月タバコ頼む」
「おっとオレにどういう口の聞き方だ?」
「千円出す」
「了解でーす」
そんなコントのようなやり取りの後、明月はコンビニへ向かった。
「小山さんかっこいいよね!」
「?」「そうか?」
碧が言うが、私は首を傾げた。麻も不思議そうに言う。
「あ、これは個人的な感想で、実際にこのような効果、能力があるとは限りませんよ」
碧は慌ててこう言い、自分の部屋へ行ってしまった。
「…たばこ、吸うか?」
麻はポケットからたばこを出すが、
「私未成年なので…」
と断ると、
「あぁ、すまん」
といってたばこを一本出し、火をつける。
その時の麻は、いつもとは違い、少し哀愁すら漂っている。
そんな気がして、私は口を開きかけた。
その瞬間。
「たっだいまー」
明月が帰ってきた。
「たばこ買ったか?」
「お金足りなかったっす」
「おいお前な…」
私は思わず微笑んでしまった。
なんだろう、やっぱり_____
面白い
かも
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