第3話 不思議なJK2

「ごめんなさい!待ちました?」


そう言って走ってくるのは大野碧…カニカマの子のほうがわかりやすいかもしれない。

待ちました?に関しては、スルーの方針で。


「それじゃー、いきましょう!」


碧はそう言うと、私を見る。

私が笑顔で返すと、碧は歩き始めた。


「そういえば、みかんさんはなんでここのアパートに?」


「あ、大学が近くにあって、物件を探したらたまたま…」


「そうかぁ、それじゃあ、その物件やさんもとんだ家を勧めちゃったな」


まあ、そうかも知れないよね。むしろ説明とか全くしてくれなかったの、訴えられるんじゃ…。


「まあけど、優しい人がほとんどだから!」


「昨日は麻さんとか、私の部屋で宴会開いてましたけど」


「それはみんなが通る道だよ…」


碧も少しうつむくレベルか…。


「それでも、今の所入居者は女性だけっぽいし、そのうちなれますよ」


「そうなんですか…、って麻さん女性!?」


「ナイスノリツッコミ!」


男性じゃないの。あの人。ますますワケガワカラナイヨ。


********


そんなこんなで布を選び、小物を探し、碧ちゃんと仲良くなっていたらいつの間にか日が暮れていた。


「いやー、今日も充実」


「充実感はすごいね」


と、二人でアパートの前まで帰ってきた。

アパートの前ではほぼ黒で背景と同化している麻さんと、もうひとりは…?


「小山さん!」


碧がそういったのは右目に包帯を巻いて、服の柄は


「天下統一」


ちょっとまって、漢字プリントT流行ってんの!?

ともかく、只者ではなさそうだ。


「きみが、新入りかい?」

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