第12話 マロンの調子が良くない
今の家に引っ越してから、どうも調子が良くない。
下痢気味で、旺盛だった食欲にはムラが見える。
シニアのわりに、少しふっくらしていた体は簡単に1kgしぼんでしまった。
環境の変化は人間にとっても犬にとってもストレスだという。
15歳近いマロンにとっては、とてもしんどいことだったのだろう。
人間の都合で振り回して可哀想に思う。
マロンは、ずっと私の心の杖だった。
マロンがいなくなってしまうことが本当に怖くて怖くてたまらない。
喪いたくない。絶対に。
……喪われない命なんてないのだと知っている。
今の私にできることは、どんなにしんどくても入院しないこと。
これ以上、マロンに心労を追わせないこと。
そして、マロンとの時間を病院に奪われるのを回避することだけだ。
なんと、情けない飼い主だろう。
それでも、最後まで傍にいることを許して欲しい。
君のことが、大好きだから。
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