第10話 段ボールハウスに入ってやってきたアンディ(終・後)

一月二十一日


享年 十六歳


今日は、あの子が死んだ日です


私は あの子の 骨を 少しだけ持っています

あの子によく似た 小さなプードルの陶器人形と一緒に金色の袋に入れて

大事に 大事に 持っています


いつか この骨からあの子クローンがつくれやしないかと

SFめいたことも 考えます


あの子がいなくなってからマロンがくるまで


毎月二十一日に、保護団体に寄付をしていました


私は あの子に沢山、沢山救われました


でも、私はあの子を一度でも救ったのでしょうか


最後の瞬間まで逝くことすら許せなかった


あの日、私はアンディを抱きしめて、朝まで一緒に眠りました

温かった体は翌朝にはかちかちに固まっていました


あの夜、何度もアンディが生き返る夢を見ました

そうして目を閉じると決して目を覚まさないアンディがいる


そのことが悲しくて堪らなかった


一月二十一日


アンディが去っていった日に

私はこの詩を終えましょう

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