第5話 段ボールハウスに入ってやってきたアンディ(中)

「うわー、白い! ちっちゃい! 可愛いー!」

まよちゃん、ていうのかな? が僕のことをぎゅうと抱きしめる。

おばあちゃんもその様子をにこにこしながら見ていたんだけど、いきなり大きな声が降ってきた。


「返してきなさい!!」


え?!


すごい怖い女の人が僕のことを睨みつける。


「動物はね、ちゃんと面倒見れる人しか飼っちゃいけないのよ。お母さん、無責任にもほどがあるでしょう!」


ちゃんと面倒? 見れる人?


「やだやだやだ!」

まよちゃんが叫ぶ。

「この子、私が面倒みる。ちゃんと面倒見るからー!」

うわあああん、とすごい声で泣き始めたから僕はその涙をぺろぺろ舐めた。

しょっぱい。


「お母さん。アンディを、面倒見切れずに、あんな可哀そうな目に遭わせたよね。

それなのに、新しい仔犬を買ってくるなんて、何考えてるの!?」

おばあちゃんわざとらしく目を逸らして黙り込んだ。


アンディ?


よくわからないけれど、アンディっていう子が居たのかな?


「この子はアンディの生まれ変わりだよ。お顔も似てるし、ふわふわで真っ白いところも似てるし」


まよちゃんは僕をアンディと呼ぶ。名前を付けられるのは可愛がられる証だと知っているから、僕も誇らしく、そしてくすぐったい気持ちになる。


「アンディ」

わん、と返事をしたら怖い女の人は「はあああ」と深いため息をついた。

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